やあやあ、能ある鷹h氏(@noaru_takahshi)だよ。
先日、国家資格の中では相当マニアックと噂される「土地区画整理士技術検定」に合格しました。
受験者数がほとんどいないだけあって合格に必要な勉強方法等が記載されているサイトがなく、完全に独学でそわそわしながら受験したのですが、私の合格体験談がどなたかの参考になればと思い、自分が勉強したことを簡単にメモしておこうと思います。
あんまり需要がないかとは思いますが、こんな試験もあるのか程度で御覧いただければ幸いです。
ちなみに土地区画整理事業って何?ということについては、以下の記事にまとめました。
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土地区画整理士の概要
土地区画整理士(とちくかくせいりし)は、土地区画整理事業の円滑な施行が進められるように、当該事業に関する専門的知識の維持向上を図ることを目的として、国土交通大臣が行う技術検定に合格した者のことを言います。
国土交通省所管の国家資格であり、土地区画整理事業の専門家として、事業の推進について中心的な役割を担うことが期待されています。
毎年9月の第一週に学科・実地試験が行われており、12月に合格発表があります。
学科試験の受験資格
受験には実務経験が必要です。
学歴・資格 | 実務経験年数(H29.5.31現在) | |
指定学科 | 指定学科以外 | |
大学卒業後 | 1年以上 | 3年以上 |
短期大学卒業後 高等専門学校(5年制)卒業後 |
2年以上 | 4年以上 |
高等学校卒業後 | 3年以上 | 5年以上(※) |
不動産鑑定士 不動産鑑定士補 |
2年以上 (ただし大学の指定学科卒においては1年以上) |
|
その他の者 | 8年以上 |
指定学科
上記の指定学科とは以下の学科を指します。
土木工学(農業土木、鉱山土木、森林土木、砂防、治山、緑地及び造園に関する学科を含む)、都市工学、衛生工学、交通工学、建築学、法律学、経済学、商学、経営学及び地理学に関する学科
実務経験年数
土地区画整理法に定めるところに従って行われる事業(土地区画整理法に基づく認可を受けた事業のみ)の施行又は推進に係る実務に従事した期間の合計年数です。
実務経験は、卒業後のものしか認められておらず、大学又は高等学校の夜間部(2部)の卒業者が在学中の実務経験を加える場合の学歴は、その1つ前の高等学校卒業又は中学校卒業となります。
技術士・建設部門 選択科目 都市及び地方計画の資格を持つ者は学科試験科目の一部が免除されます。
試験地
東京、名古屋市、大阪市、福岡市の4か所で実施されます。以前は仙台でも実施されていましたが、廃止になったようです。
試験科目
学科試験
- 土地区画整理事業総論
- 換地計画
- 土地評価
- 法規
満点中、おおよそ60%以上の正解率(一部免除者も同様)で合格となります。(実施結果などにより変更になる場合があります。)
実地試験
総得点が、満点中60%以上の得点率で、以下の各試験科目中それぞれ以下の得点以上で合格となります。
- 換地設計:満点45点中、12点以上
- 実務経験:満点25点中、9点以上
- 事業計画:満点30点中、9点以上
- 移転補償:満点30点中、7点以上
- 法 規:満点30点中、7点以上
1、2は必須問題。3~5はどれか一つを選択します。
土地区画整理士試験唯一の参考書はこれ!
一般社団法人土地区画整理士会から出版されている
改訂5版・土地区画整理の手引 -事業と実務の要点- 定価 5,300円(税込)

これです。これだけ。
実は土地区画整理士の試験は出る範囲が限られています。これを隅から隅まで覚えれば満点合格です。
さらにもう一つ。
「土地区画整理試験」土地区画整理士試験問題の傾向(平成28年版) 定価 2,400円(税込)

これは過去3年分の学科試験・実地試験の過去問集です。これを解けばさらに完璧!
実は過去問から大きく逸脱した問題はほとんど出ないので、これをしっかり押さえておけば安心です。
上記以外の本はなにも必要ありません。このテキストだけをひたすらに覚えるのです。
勉強にかかる時間は?
私はやろうやろうとずっと思っていながらなかなか勉強しなかったのですが、総学習時間は4~50時間くらいでしょうか。土日をしっかり確保出来れば、3週間くらいで合格までの知識は絶対つくと思います。
私の場合、
- まず土地区画整理事業の手引を赤線を引きながら熟読した後、過去問を3年分実施
- 答え合わせしながら手引きを見直して、再度全体を通して手引きを熟読
- その後、過去問3年分を実施
これで合格出来ました。
実地試験対策は?
実地試験は① 換地設計、② 実務経験、③ 事業計画、④ 移転補償、⑤ 法規の5つの項目に分かれており、
①、②は必須。③~⑤はどれか一つを選択します。
①換地設計はとにかく過去問をしっかり解けば大丈夫。
②実務経験は正直に自分の業務経験を書けばオッケー。でもその場で書くと色々とボロが出るので事前に下書きを作っておくことをオススメします!
③~⑤のどれを選択するかですが、個人的には③事業計画がオススメ。一番過去問に忠実だし、穴埋めの数も少ない。
⑤法規はちょっと細かい知識が多いので覚えにくい。④移転補償は補償業務に携わっている方以外はなじみがないかもしれないので普通はパスします。
最後に!!
もし土地区画整理士を目指している方、土地区画整理事業に関わったことがある方は是非受けてみてください!それほど難易度も高くないので、挑戦してみてはいかがでしょうか。
![]() よくわかる土地区画整理法第2次改訂版 [ 土地区画整理法制研究会 ] |