やあやあ、鷹h氏(@noaru_takahshi)だよ。
鷹h氏は雪山が好きなので、よくスキーやスノボに行きます。
先日も会社の先輩たち(40~50歳の方々が多め)とスキー旅行に行ってきました。スキーが大好きだと公言する彼らは、当然技術も高く、持っている道具も非常にこだわりのある方たちです。
そんな彼らとの飲み会で話題になるのが、
「私をスキーに連れてって」。
![]() 私をスキーに連れてって [ 馬場康夫 ] |
これ。
この話題になると、「これを見てない奴はスキーをやる資格がない」と言わんばかりに盛り上がります。その怒涛の盛り上がりに全くついていけない鷹h氏。
昼間の雪山でも全く追いつけなかったのに、夜の飲み会でも追いつけないとは。
熟練のスキーヤーになるためには、まだまだ修行が足りないようだぜ!!
それほどまでに当時の若者だった彼らを熱狂させた「私スキ」。
その魅力に触れてみようと、早速TSUTAYAにて借りてきました。DVD。
どれどれ、制作は、フジテレビとホイチョイ・プロダクション。
今はさておき、当時は若者のハートをがっちりつかんで離さない、めちゃめちゃイケてるTV局だったフジテレビ。それに加えて、バブル前後の若者カルチャーを生み出してきたホイチョイ・プロダクション。どう考えてもチャラさ全開の映画です。
当時の“スキー美学”がこれでもかと詰め込まれた内容。
1987年当時、まだ生まれてもいなかったワタクシとしては、どうにも理解しがたいポイントが多々あったものの、久方ぶりに映画を見てビビビッと衝撃を受けたので、早速、新鮮に感じた点とその感想を紹介しよう!!
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1.生き生きとした昭和バブル時代の風俗!!
映像は1987年。その当時の様子が丁寧に描かれています。
オフィス内なのにほとんどの人がタバコ吸いながら仕事している。
オフィス内に響くガガガガという不穏な音。昔の大型プリンターが発している音のようである。
パソコンが一人一台ない。彼らは机で普段なにをしているのだろうか。
「検算はしたのか!」と激怒する課長。検算って表現、小学生で筆算習った時以来だよ。
ボンネットから飛び出す車のフロントライト。カセットテープから流れるユーミン。やたら巨大なフィルムカメラ。
20代も後半と思われるいい歳した男女が、大人の落ち着きを見せるわけでもなく、高校生もびっくりのテンションでスキーの計画を立てて盛り上がり、スキーの後は、雪山のロッジを貸し切って、カクテル片手にナイトパーリー。。。
バブルの崩壊とともに生まれ、失われた20年の中で育まれ、今なお全く先が見通せない不況の真っ只中で働いている我々には、にわかには信じがたい映像が続きます。
お酒を飲んだ(と思われる)シーンの後に運転するシーンがあるなど、とにかくアバウトにパワフルに物事が進んでいるバブル時代。
これを知るだけでも見る価値があったかもしれない。
ただし、映像自体はテンポも良く、見せ方がカッコ良いので、決して古臭さは感じさせず、現代っ子でも違和感なくサクサク見れます。
そして、邦画ならではの人間味あふれるほっこり感はバブル期でも健在です。
2.バブル感全開のキャストのやり取り!!
主人公は原田知世。三上博史が原田知世に恋する友人役です。
この関係性がとても良いですね。
ラブストーリーなのに、原田知世と三上博史のいちゃいちゃするシーンが全くない。キスシーンすらない徹底ぶり。
時折、三上博史を「ばーんっ♪」と手で作った銃で撃つ原田知世。いいですね。
そして、二人の恋をどこまでもおせっかいにバックアップする仲間たち。
男性陣は、なんかドデカいカメラで「と り あ え ず 、」って言いながらシャッターを切っている沖田浩之と、ジャイアンとスネ夫を足して2で割ったみたいな性格の布施博。この能天気で友達思いの友人がストーリーを盛り上げます。
女性陣は、原田貴和子と、高橋ひとみ。現代とは違うメイクと、似たようなスキーウェアであることから、現代っ子のワタクシには、誰が誰だか判別できるようになるまで、1時間以上要しました。。
ダメだ、おじさんが「最近の若い子は顔がみんな同じだから」と評することと同じ現象が生じている!興味を持て、鷹h氏!
原田知世と三上博史をくっつけようと色んなパスを出す原田貴和子が、実は三上博史にひっそりと恋心を抱いてたりと、甘酸っぱいサブストーリーも王道ながらグッときてしまいます。
3.見応えのある雪上シーン!!
劇中のスキーと雪上カーアクションが、想像以上の迫力!!
スキーシーンは当時の長くて曲がりにくいスキー板では超絶技巧と思われる動き。今観ても十分かっこいい。センスを感じます。
そして、雪上カーアクション。ハリウッドもびっくりの雪上大ジャンプやマリオカートみたいに壁に当たりまくる高速運転は、見応え十分。
実際のところ、あらすじとしてはなんの工夫もない恋愛映画なのですが、アクションシーンに気合が入りまくっていることにより、本作のクオリティが格段に素晴らしいものになっております。
そして細かいのですが、当時の流行と思われるスキー板遊びも完全に網羅している!!
スキー板とストックで即席のベンチを作ったり、スキー板に足を固定したまま、スキー板を担いで、人間を吊り下げて写真を撮ったり。
ビンディングの外し方もストックで同時に外してみたり、スキー板で踏んづけて華麗に外したりと、当時のオシャレを凝縮したかのような、今見ると嬉し恥ずかしのシーンが満載!
4.色あせないユーミンの歌声!
我々世代としては、ウインターソングといえば広瀬香美が思い浮かびますが、この世代のウィンターソングの女王は、ユーミンなんですね。
「私スキ」では、以下の4曲が使用されています。
- 恋人がサンタクロース
- ロッヂで待つクリスマス
- A HAPPY NEW YEAR
- BLIZZARD
それぞれいいタイミングで流れるので、映像とともにユーミンの歌声が印象に残ります。
実際のスキー場でもユーミンが流れることがありますが、おじさん達の胸はその度に熱くなっていることでしょう。。。
最後に!!
「私をスキーに連れてって」。カルチャーショックを感じつつも、飽きずに新鮮な気持ちで視聴できた、レトロでおもろい映画でした。
こういう時代を逞しく生きてきたおじ様世代と、不況まっただ中を細々と生きていた我々世代には、根底の意識に越えられない壁があるのだなと実感するとともに、両者の架け橋となるのは、こういった「時代」を克明に記した映画や書籍なんだなと思いました。
江戸時代や明治時代とは違う、近いようで遠いバブルの世界。バブルを知らない若い方も是非一度私スキを見て、味わってみては!!
[…] こんな風に見えるそうです。 http://takahshi.net/review/movie/wtsk […]
4曲以外、もう一曲ながれてますよ。
『スキー天国、サーフ天国』
まだまだ甘いな。笑
間違い。
『サーフ天国・スキー天国』
「サーフ天国 スキー天国」はオープンニング エンディングでも使用されてます。