年末なので、久しぶりに本棚を整理していたら、たくさん本が出てきました。
本ってその当時は、絶対に読みたい!と思って購入して、
読んでいる間は、著者の訴えたいことや知識が、頭の中に水が流れていくように、ふむふむと納得するんですが、
いざ読み終わると、あっと言う間にその知識って抜け落ちてしまいます。
でも、半年くらい経過して改めて読んでみると、「そういえばこの時こんなことで悩んでいたから、この本を手にとったんだな」とか、「この本の知識はあの場面で役に立ったな」なんて思い返して、全然本に対する感じ方が変わっていて、とても面白いです。
この感動を記録しておこうと思い、社会人になってから読んだ図書の中で印象に残っているものをメモ。
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社会人になって読んでよかった図書6選 <人生論編>
社会人になった後に助けられた人生論的エッセイをご紹介します。
ゼロ——なにもない自分に小さなイチを足していく|堀江 貴文
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ホリエモンは、スマートでありつつ、泥臭い一面を隠さないところが好きです。
本書では、ホリエモンの学生時代の出来事やそれについての葛藤、コンプレックスとも捕らえられるものが赤裸々につづられており、人間らしい堀江氏の姿を垣間見ることができます。
そして、仕事に対してうじうじ悩んでいる気持ちをあの堀江節で吹き飛ばしてくれます。
多くのビジネスマンは、自らの「労働」をお金に換えているのではなく、そこに費やす「時間」をお金に換えているのだ。
お金を「もらう」だけの仕事を、お金を「稼ぐ」仕事に変えていこう。儲けるために働くのではなく、お金から自由になるために働こう。
そのためには、やりたいことは全部やれ!という熱いメッセージが心に突き刺さる。
そして、もうひとつ響いた言葉。岡田斗司夫さんの唱える「評価経済社会」を引き合いに出し、ツイッターで100万人のフォロワーがいる人にとって、1億円の資金は簡単に集めることができる。しかし、誰かに1億円渡しても、100万人のフォロワーをつくることはできないと前置きした上で、
これからの時代を生きるあなたには、「お金」ではなく、自らの「信用」に投資することが求められている。ほんとうに困ったとき、人生の崖っぷちに追い込まれたとき、失敗してゼロに戻ったとき、あなたを救ってくれるのはお金ではなく、信用なのだ。
そのためにはまず、確実にあなたのことを信用してくれる相手である「自分」に投資しよう。「小さな成功体験」を重ねることでまず自分を好きになるところから始まるのだ、と。
ホリエモンは人のハートを揺さぶるのがとても上手い方です。
弱いつながり 検索ワードを探す旅|東 浩紀
![]() 弱いつながり [ 東浩紀 ] |
身体が移動すれば、検索する言葉も変わる。
これは東さんが、本書のなかで繰り返し述べていることです。
人間は環境の産物である、自分を変えるためには環境を変えるしかない。しかし、その環境は、グーグルが統計として規定した枠組みに取り込まれてしまう。グーグルを裏切る言葉を手に入れることでしか、私たちは「かけがえのない生き方」を生きることができない。そのためには日常にノイズを入れよ、旅に出よ、と。
ネットにはノイズがない。だからリアルでノイズをいれる。弱いリアルがあって、はじめてネットの強さを活かせるのです。
常に新しい検索ワードを探し続ける「観光客」であるために、東さんが推奨する観光客の5つの心得。
無責任を怖れない/偶然に身をゆだねる/成功とか失敗とか考えない/ネットには接続しておく/しかし無視する
リアルだけでも、ネットだけでも、グーグルの枠組みを超える「かけがえのない自分」は達成できない。冷静で客観的な東さんならではのアツいメッセージ。
努力する人間になってはいけない:学校と仕事と社会の新人論|芦田 宏直
![]() 努力する人間になってはいけない [ 芦田宏直 ] |
幅広い経歴をもつ芦田さんの教育論であり、哲学書、そしてエッセイ。盛りだくさんの一冊。今回は第1章「努力する人間になってはいけない−これから社会人になるあなたたちへ」から気になった言葉。
<努力する>の反対語が<考える>/単純な仕事にほど差異がある
筆者の言う「努力」とは、思考停止になって黙々と作業している状態を指しています。『努力している自分』に自己満足していても、先はない。「工夫」や「改善」のプロセスを絶えず踏み続けることで、効率のよい業務、ひいては社会的信用につながっていくのだという考え方は最もであり、実践すべき。
特に、単調な環境に置かれても、思考を絶やすなという激励は、非常に元気付けられました。
人に強くなる極意|佐藤 優
![]() 人に強くなる極意 [ 佐藤優 ] |
佐藤優さん流の「処世術」をまとめたもの。
「他人との付き合い方」に悩み続けている私としては、佐藤優という希代の外交エリートの「他人」との折り合いのつけ方に感心しながら読みました。
分類とか類比、英語でいうアナロジーですが、これができるようになるとずいぶん違う。先ほどにも述べたように、相手がよくわからないから恐怖心が生まれてびびってしまうのです。対象が自己の経験値の中で、何らかのカテゴリーに振り分けられていれば、そのような恐怖心に陥ることはありません。
極度のびびりの鷹h氏にとっては、大変有り難いお言葉。何事も経験。映画でも読書でも疑似体験でもいいから多くの体験を積むことが大事である、と。
怒らない。びびらない。飾らない。侮らない。断らない。お金に振り回されない。あきらめない。先送りしない。どの章もぶれない自分でいるためのヒントが凝縮されています。
「やりがいのある仕事」という幻想|森 博嗣
![]() 「やりがいのある仕事」という幻想 [ 森博嗣 ] |
森さんの脱力系かつ切れ味鋭い生き方論です。
なんとなく、意味もわからず、「仕事にやりがいを見つける生き方は素晴らしい」という言葉を、多くの人たちが、理想や精神だと勘違いしている。それは、ほとんどどこかの企業のコマーシャルの文句にすぎない。そんな下らないものに取り憑かれていることに気づき、もっと崇高な精神を、自分に対して掲げて欲しい。それは「人間の価値はそんなことで決まるのではない」という、とても単純で常識的な原則である。
そもそも、会社に入って仕事をするということ自体が幻想であるという言葉に勇気づけられます。人生において「やりがい」を求める対象は「今の仕事」に限られないということを教えてくれました。
社会人大学人見知り学部卒業見込|若林 正恭
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オードリー若林のエッセイ集。とにかく若林さんの人見知りっぷりや、世間に対する斜に構えた態度が包み隠さず書かれています。共感する場面が非常に多い。
ぼくは羨ましかった。お金より地位や名声より、生まれながらの自信というものがぼくは何より欲しかった。根拠のない自信。最強だ。状況がダメなのではなくて、状況をダメと捉えてしまうことがダメなのだ。その感情の防波堤になるのは自信だ。
昔からそうだった。大学の学祭に参加せず、バーベキューに行かず、誕生日会を開かれるのを拒む。全部、突っ込まれたくないからではないのか?出る杭を拒み続けて、ツッコミ続けた挙句、死の直前に何も楽しんでいなかったなんてことに気付く大ボケ、全然笑えない。
自信のなさが故に生まれる斜に構えた思考、その一方で社会に迎合するために悩み続ける若林さんの葛藤。随所に笑いを散りばめながら書かれています。最後には、
特にすごい訳じゃなく、特にダメじゃない。そんな自分の自己ベストを更新し続けていれば、「結果」があとからやってこようがこなかろうがいいじゃないか。特別な才能がないから自己ベストを更新し続けるしかないという諦めは、ぼくにとって自信となった。意外だった、良い結果の連続が自信を生むと信じ続けていたから。この自信は「結果」がもたらす自信よりも信用できるものだった。
結果ではない、絶えず自己ベストを出し続ける事、それが社会に参加にする唯一の参加資格だ、という文章で締めくくっています。
最後に!
上記の本のなかで言われていることは、いかにして「自信」と「誇り」を持って人生を歩んでいくのか、ということに共通して結びつくのではないかと思います。
一人一人、能力も才能も特技も趣味も異なる中で、誰もが今の仕事に満足しているわけではない。そんな中でも、成功や失敗という結果にこだわらず、積み重ねていくことで人生は充実するのだ、と。
道に迷った時、自分に自信がなくなった時、人生の先輩方の人生論というのは大変示唆に富んでいて勇気付けられます。まだまだ社会人も序盤。会社に勤めていると、ついつい会社の中での自分の位置付けを考えてしまいがちです。
しかし、自分は自分以外の何者でもない。やれることを誠意を持ってやろう。来年も走り続けたい!!