
やあやあ、根暗なのに祭り好きな鷹h氏(@noaru_takahshi)だよ。
先日、とある縁があって山王祭の神輿を担がせて頂きました。
2年に一度、神田祭と交互に行われ、将軍らが上覧したことから「天下祭」とも謳われた山王祭。
しかしながら、あまりにも祭りの規模が大きすぎて、自分がどんな祭りに参加しているのか全くわからなかったので、今回は「山王祭」の歴史や見どころについてメモしておきたいと思います!!

この記事を書くにあたり、アーツ千代田3331で2016年5月26日(木)~6月12日(日)まで開催されていた「山王祭のいま・みらい ~まちが支える江戸の粋~」を観覧してきたので、その展示内容と合わせてご紹介します。
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山王祭の由来

山王祭は日枝神社のお祭りですが、日枝神社は赤坂にあって、祭りがおこなわれるのは皇居や日本橋周辺。場所全然違くない?なんでわざわざ赤坂から移動するの?という疑問がありました。
これについて調べてみると、なんと日枝神社はかつて江戸城内にあったそうです。日枝神社は古くは”江戸山王大権現”と称され、1590年に徳川家康が江戸城入城してから、山王社(日枝神社)は将軍家の産土神として江戸300年を通じて東都第一の社として崇敬されていました。
その後、城の拡張のため、国立劇場付近に遷座した後、現在地に移ったという歴史があります。
そして、山王祭は三代将軍家光の時代以降、将軍が上覧することを許される天下祭りとなりました。将軍家康を神として、その祭礼に係わる費用を幕府より支出したことから「御用祭」ともいわれたそうです。
京都の祇園祭、大阪の天神祭と共に日本三大祭の一と称され、栄枯盛衰はあったものの現在に至っています。
今では2年に1回、神田祭と交替で大規模な大祭が行われます。
山王祭の行事
それぞれの山王祭のイベントを見ていきたいと思います。
山王祭は大きく3日に分けて開催されます。(正確にいえば10日間近く行事があります。)
「神幸祭」6月10日@中央通り
山王祭で最大の行事が「神幸祭」です。神幸祭は大祭のときに行われ、神田祭と年ごとに交代なのですが神輿も山車も違うのでそれぞれ違った雰囲気の神幸祭が楽しめます。
鳳輦2基、宮神輿1基、山車3台と、王朝装束をまとった神職・氏子ら500名ほどが300m近い行列をなし、皇居・丸の内・霞が関・銀座・日本橋などを巡幸します。皇居の周りを巡る日本で唯一のお祭りです。
このような様式になったのは明治15年(1822年)からで、中央通りを巡幸するようになったのは2008年からのようです。
古式ゆかしい王朝装束の大行列が神々しいですね。
高層ビルが立ち並ぶ都会のど真ん中で古めかしい神輿や山車が練り歩く姿は、時代の進捗とともに江戸時代の文化が未だに息づいていることを感じて嬉しくなります。
「夏越稚児祭(稚児行列)」6月11日(土)@日枝神社神苑
- 対象年齢:3歳から6歳まで(男女とも)
- 初穂料:お一人様10,000円(祈祷料・稚児衣装・記念写真・お土産代共)
稚児行列は本来は神社や寺院が新しく建て替えられた時や晋山式、花祭りや日蓮、法然の命日などに行われますが、山王祭の大祭でも行われます。
お子さんやお孫さんの健やかな成長を願う稚児行列は、神幸祭の古式豊かな雰囲気と少し違い、とても可愛らしい行事です。茅の輪くぐりにも参加可能です。
稚児行列は3回参加すると幸せになれると言われます。お子さんがいる家庭の方は思い出づくりに参加してみてはいかがでしょうか?
「下町連合渡御」6月12日(日)@日本橋〜茅場町
下町連合渡御は日本橋、京橋、八丁堀、茅場町が連携して12基の神輿を引き回します。ひとつの神輿に200人以上の人出がつくので、参加者は3000人近くにものぼる圧巻の風景です。
渡御とは神輿を担いで練り歩くことを言い、京橋から日本橋という大通りを進んでいくので観客の数も多く、迫力があります。
特に日本橋上での差しは、担ぎ手と観客の熱気で大きな盛り上がりを見せます。
“差し”とは神様を差し上げる意味をもち、担ぎ手たちの心が一つになる大きな見せ場のことです。
下町連合渡御でフィナーレを飾るのは日本橋髙島屋での” 差し”。いくつかの神輿が重厚な正面入口に入り、空間いっぱいに威勢よく差し上げられます。
日本橋髙島屋以外にも様々な店前に訪問があり、木頭と神輿との最後の白熱したやり合いも見所の一つです。
なお、各町の神輿渡御は2日間の日程で行われており、土曜日の夕方にも各町会は神輿行列でにぎわいます。
アーツ千代田3331「山王祭のいま・みらい ~まちが支える江戸の粋~」の展示内容
山王祭についての展覧会もアーツ千代田で同時開催していましたので見てきました。
この展覧会は、山王祭が番町・麹町地域、日本橋・京橋地域の氏子町によって支えられてきた点に注目し、各町会で使用される道具類や、行列を意義付ける獅子頭を紹介するほか、絵画・デザインから山王祭の魅力に迫ります。
それぞれの町会の手ぬぐいが一堂に会した展示。それぞれの手ぬぐいがとてもおしゃれだ!!

各町会の提灯です。26種類!!圧巻ですね。

寿司職人である岡田親(おかだちかし)さんの錦絵。可愛らしい絵柄で江戸の粋な文化を感じます。

神幸祭でも先頭に立つ獅子舞は、道を清める露払いの役割を担っています。金色なのが豪華!やっぱり迫力ありますね!
こうした細かい道具たちが集合してあの迫力ある祭を生み出していると考えると、本当に祭は文化そのものなのだなという気持ちになりました。
最後に!!
以上、日本三大祭り、江戸三大祭に名を連ねる山王祭をご紹介しました。
やはり銀座・日本橋のど真ん中を連合神輿が渡御する様は、とても爽快でありました。
神輿は重く、担いでいる最中は肩は痛くなる一方でしたが、やっぱりたくさんの人数で盛り上がるのは楽しい!祭りは日本人の心なのだなということを実感しました。
来年は神田祭の年ですので、次回は再来年。とても楽しみだ!
由緒ある伝統的なお祭りですので、一度ご覧になってみてはいかがでしょうか!!