やあやあ、能ある鷹h氏(@noaru_takahshi)だよ。
先日、娘が生まれました。
昨年の10月に結婚式を挙げてから、新婚旅行、妊娠発覚、出産まで、この1年間は割と非日常なイベントが盛りだくさんで感動することも多く、せわしなく過ぎていきましたが、そんな中でも間違いなくダントツで衝撃的だったのが今回の出産立ち会い。
絶望するほど仕事が忙しかったとしても、単身赴任や里帰り出産で100万km離れた場所にいたとしても、陣痛が始まったら出産立ち会いに向けて、どんな障害を乗り越えてでも妻に会いに行くべき。
血を見るのが怖いからとか、妻の痛そうな顔を見るのが耐えられないからとか、出産は女性の仕事とか意味わからん理由で出産立ち会わない人が存在しているとしたら本気で頭おかしい。
日常生活において人の生死にあまり接することのない人にとって、「人間がどう生まれてくるか」を唯一実感出来るチャンスなのに。
絶対に立ち会ったほうが良い。そのくらい出産って壮絶だし、尊い。
血や悲鳴で気絶するくらい繊細な旦那だったら立ち会って気絶すればよい。後で後悔するか悩んでいるくらい気弱な旦那だったら、立ち会ってからトラウマになればよい。とにかく旦那が妻の産みの苦しみから目を反らすべきじゃない。もちろん、妻の「出産だけ」に立ち会うのではなく、その前の「陣痛の時」から立ち会うべき。
それに、生まれた後の赤ちゃんを見るのと、その生まれる過程を見るのとでは、赤ちゃんに出会った時の感動の度合いは絶対に違う。
今回は、そんな人生の一大イベントである出産において、旦那サイドから見た陣痛開始から出産までの実体験と夫が妻にしてあげられること、出産立会いの感想をやや興奮気味にメモしておきたいと思います!
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陣痛から出産までには「4つの段階」がある
人間は妊娠してから出産まで大体10ヶ月間ありますが、旦那から見て一番想像がつかないのが「陣痛から出産までの期間」。
だって経験ないし、ネットで調べても自分はお腹も大きくないし、痛みもないので今ひとつ実感が湧きません。

そもそも陣痛とは、お産が始まると子宮は赤ちゃんを押し出すために規則的な収縮を繰り返しますが、この収縮のときに感じる痛みのこと。この子宮の収縮によって子宮口が徐々に開いていき、赤ちゃんが通れる大きさになります。
妊娠初期〜中期にはつわりやお腹が大きいことによるマイナートラブルはあるにせよ、そこまで深刻な痛みを伴いませんが、いざ陣痛となると妻の苦しみのレベルがはるかに上がるので、かなり焦ります。
陣痛から出産までは、
- 初期:前駆陣痛
- 活動期:本陣痛
- 活動後期、移行期:本陣痛のピーク
- いきみと分娩:出産
大きくこの4つの段階を経て、赤ちゃんが外の世界に送り出されます。
陣痛は、不規則な痛みやお腹の張りから始まり、次第に規則的な痛みへと変わっていきますが、私の妻の場合、前駆陣痛が始まってから大体丸1日かけて出産を行いました。
各段階ごとの妊婦の状態と旦那が出来ることは以下のとおりです。
1.初期:前駆陣痛
一般にこの段階は最も長く、最も痛みの少ない期間。収縮は30〜45秒続きます。
収縮は弱いものからやや強いものまであり、規則的だったり不規則だったりします(5〜20分間隔)が、段々と間隔が短くなっていきます。
前駆陣痛が始まってから本陣痛が始まる期間は、非常にばらつきがあって、スピーディに数時間で本陣痛が始まることもあれば、1ヵ月近く本陣痛が始まらないこともあるそうです。
私の場合、北海道にて里帰り出産中の妻から「陣痛が始まったかも」との連絡を受けて急いで飛行機で現地に向かいました。到着時にはまだ前駆陣痛の段階でしたが、その数時間後に本陣痛が始まりました。
この時はまだ痛みも弱く、周期も長いとはいえ、いざ陣痛が始まると、妻は当然不安で落ち着きがなくなっていきます。この時、旦那も一緒にそわそわしないようにしたいところ。
とはいえ、いよいよその時が近づいているとなると、夫側も不安や期待が入りまじって、なんともざわついた感情になります。こういう時こそ平常心を。他愛のない会話がなによりも夫婦のリラックスにつながると思います。
この時、旦那は妻の陣痛間隔を測ってあげると良いと思います。収縮の始まりから次の収縮の始まりまでが一つの陣痛間隔です。
時計やストップウォッチでも構いませんが、陣痛間隔の計測アプリがいくつかあるのでそれを使うと便利です。「陣痛時計」が一番シンプルで使いやすいのでオススメ。

妻の場合、前駆陣痛の期間は大体半日で、この陣痛間隔が平均5分間隔になった段階で病院に向かいました。
2.活動期:本陣痛
一般に第1段階よりも短く、平均で2〜3時間半続きます。収縮は強く、長くなり(40〜60秒)、はっきりとしたピークが20秒から30 秒続きます。間隔も3〜4分と頻繁になります。
病院に入院する段階では、この活動期になっていると判断される場合がほとんどだと思います。この頃になると「ううっ、うーー、ううっ、うーー、ううっ」ずっとこの繰り返し。第1段階と比べてかなり苦しそうで、全く余裕はなくなります。
この時夫は、分娩監視モニターを見ながら陣痛の経過を観察しておくこと。分娩監視モニターとは、妊婦のお腹に計測機器を取り付け、陣痛曲線と超音波を利用して心拍数、胎動、子宮収縮の状態を調べる装置です。
モニターは陣痛が来る前に数値が高まるので、子宮収縮が次々と襲ってくる時に、収縮の開始を教えてあげることができます。奥さんの感覚よりも早めに察知できる場合があるので、奥さんの心の準備の手助けが出来ます。
陣痛の痛みもかなり強くなっているので、おなかや背中、腰をさする、痛い部分を圧迫するなど、妻が少しでも快適になれるようにします。
またこの段階で寝不足など妊婦が体力的に消耗してくると陣痛が弱まってしまうことがあります。そんな時は、スクワットをしたり、室内を歩いたり、ゆらゆら揺れるお馬さんに跨ったりと、様々な体勢で陣痛を促進させる必要があります。
妻の体に鞭を打つようで辛いですが、陣痛間隔を計りながら、どの体勢で効果的に陣痛が来るかを色々試行錯誤するとよいと思います。
3.活動後期、移行期:本陣痛のピーク
陣痛期間のうち最も大変な時間。収縮は非常に強くなり、2〜3分間隔で60〜90秒続きます。ここまできたら子宮口が完全に開くまで平均で15分〜1時間です。
この段階になると、多くの人が腰または会陰に強い圧迫感を覚えます。収縮が完全に途切れることがないので、「うーーっ、うーーっ、うーーっ」と常に苦しそうになります。
この時、夫が出来ることは「いきみ逃し」。子宮口が完全に開く前にいきんでしまうと子宮口が腫れて分娩が進みにくくなることがあるので、妊婦はいきみたくても、いきむのを我慢する必要があります。
いきみたいのにいきめないというストレスを逃すために、手やテニスボール、ゴルフボールで痛いところを圧迫してあげます。この時は全力を込めて妻の痛いところに拳やボールを押し当てて、痛みを逃してあげるとよいです。
一番辛くて苦しい時期ですが、「あともうちょっと!」です。
4.いきみと分娩:出産
長い期間の陣痛に耐え、内診で子宮口が完全に開いたと診断されたら、あとは赤ちゃんを外に出すだけです。
いきみから分娩までの平均時間は大体30分〜1時間。妻はこれまで消耗した体に残された全身全霊のエネルギーを込めていきみます。
「うぅーーーーっ!うぅーーーーっ!」
この時から助産師さんが次々と指示を出して、一気に現場がせわしなくなります。
可変式のベッドがテキパキと作業されあっという間に分娩台に。新生児の測定する機械が続々と登場し、赤ちゃんを迎える準備が整います。
「〇〇先生呼んで! もう1人! 〇〇さんも手伝って!」
我々の時も、最初は2人だった助産師さんが段々と人数が増えて最終的には5人に。
「旦那さん、奥さんが不安だと思うので励ましてあげてください」
子宮口が直接見えないように妻の頭側に立たされて、妻の手を握ります。
「せーの! はい、力んで!! はい、もう一度!」
「んーっ! んーーっ!」
「上手ですよ! はい、いきみましょう! はい、もう一度!」
全身全霊を込めていきみに集中する妻。
「頭が見えてきましたよ! もう一息! もうちょっと!」
「んぅーーーっ! んぁぁぁーーーーっ!!」
「おぎゃぁぁぁぁーーーーーー!」
これまでの張り詰めた空気を切り裂くような赤ちゃんの泣き声。
「おめでとうございます! 生まれましたよ、2,860g、元気な女の子です!」
緊張から解放されて一気に泣き崩れる妻。
これまでの壮絶な空気感に圧倒されながらとにかく安堵する私。
妻が全エネルギーを振り絞って産んだくれた子供には、
「生まれてきてくれてありがとう」
その言葉しか思い浮かびませんでした。
感想:自分の子供は想像以上に可愛い
正直言って、私、赤ちゃん苦手でした。自分が末っ子だったので赤ちゃんに人生の中で関わったことがないし、どう接して良いのかわからない。意思の疎通が難しそうで、どちらかというと避けてきました。
でも、自分の子供だと全然違う。赤ちゃんが泣いたり笑ったり、ワタワタと手足を動かす姿は想像以上にかわいい。あらゆるものを差し置いて大切にしたいと思える、愛おしき存在。
子供が生まれるまでは、ちゃんと自分の子供を可愛がれるか心配でしたが、安心しました。抱っこしていると幸せな気分になれるし、ずっと見てても飽きない。オムツを替えるのも全然気になりません。まだまだおっかなびっくりだけれど。
本当に、子供と出会えてよかった。あれだけ辛い思いをして子供をこの世に産んでくれた妻には本当に感謝。
旦那が出産で出来ることを紹介しようという記事でしたが、実際のところ、出産の現場で男は何も手出しできません。その後の子育てでも母乳をあげられるのは母親だけだし、父親が出来ることは限定されています。
でも、赤ちゃんに対して何も出来ないからこそ、父親は出来る限り母親のサポートをしてあげるべきだし、妻の出産には陣痛から赤ちゃんが産声を上げるまできちんと立ち会ってあげるべきだと思います。
直接的に手助けができなかったとしても、出産の日の妻の苦しみや、赤ちゃんが誕生したことの喜びを同じ時間・同じ場所で妻と共有することができたという事実が、なによりも幸せなことだと私は思います。
出産の際に準備しておくとよいもの
最後に出産の時に準備しておくと良いグッズを列記しておきたいと思います。これらアイテムを使って微力ながら妻をサポートしてあげましょう。
![]() ピジョン ペットボトルストロー(1コ入)[ストローマグ ピジョン] |
ペットボトルストローは陣痛中も寝たままで飲めるのでかなり便利アイテムです。
あと、飲み物は多めに持っておいた方がよいですよ!500mlペットボトルは結構あっという間になくなります。
![]() カイロ/オカモト貼る温楽 レギュラー(30コ入)【温楽】[カイロ 温楽 貼る 使い捨てカイロ あったか] |
腰の痛みはカイロで温めると多少は緩和されるみたいです。気晴らしも兼ねて準備しておくとよいかも。
![]() NOUVELLE BONHEUR(ヌヴェル・ボヌール) 今治バスタオル ボーダー |
タオルは何枚も持って行った方が良いです。汗を拭く、濡らして冷やす、顔を覆う、握りしめる等、色んな用途に使えます。
![]() 硬式テニスボール 1P (KA189379/KW-300)【QBG35】 |
テニスボールはいきみ逃しにかなり役立ちます。適度な大きさで、手でギュッと握ったり、腰や肛門の辺りをゴリゴリしたりすると痛みも少しは和らいでいくようです。
![]() 【中古】その他CD ソフロロジー式分娩(イメージトレーニングのためのテルプノスロゴス)【02P03Sep16】【画】 |
スピリチュアルな音楽が流れるソフロロジー式分娩のためのBGM。最初はいぶかしんでいましたが、エンドレスリピートで流していると精神的な安らぎの効果があり、結構効果あったのかなと思いました。
![]() コンセント アロマライト リラックスミミ 猫 【アロマランプ アロマポット 電気 陶器 メール便不可】 |
アロマの香りが鼻の通りが良くなりますよと助産師さんに勧められて焚きました。部屋中が柑橘系の香りになって気分転換にはなっていたと思います。
![]() 小判色和紙 渋うちわ |
妊婦は痛みを我慢したり、思い切りいきんだりするので、体全体が火照ることもあります。一枚うちわを持っていくと、妊婦の気分転換やリラックスにつながると思います。
最後に!!
きっと世の中のほとんどの男性はいざ自分の子供の出産が近づかない限り、「赤ちゃんが生まれる、父親になる」という実感が湧かないのではないかと思います。
でも、夫が妻の出産に立ち会い、壮絶な現場を一緒に経験することによって、呑気な旦那の心には良くも悪くも大きな衝撃が走ることになります。
50歳以降のおじさん世代では出産に立ち会わないのが当たり前でしたが、現代は出産に立ち会おうと思えば立ち会える世の中。
夫婦によって出産や子育てへの意識がまったく違うと思いますし、出産に夫が立ち会うことについては、様々な議論がありますが、今、出産に立ち会おうか迷っている人や将来的に子供が生まれた時にどうしようか悩んでいる人がいれば、私は「絶対に立ち会うべき」ということをお伝えしたいです。
それが今後の子育ての「父親としての責任感」につながるか、「夫婦関係の不和」につながるかは、それぞれの夫婦の在り方しだいですが、人生でも有数のドラマティックな現場に居合わせられる千載一遇のチャンスをみすみす逃すのは本当にもったいないですよ。
少なくとも男性側が軽口で「出産って母親はみんな経験してるし、痛いって言ってもそれほどじゃないんでしょ?」みたいな”出産なめてる発言”をすることがなくなるだけでも、とても大きな意味を持っているんじゃないかと思います。