ライフスタイルはお店で売っているモノなの?流行りの「ライフスタイルショップ」に感じる違和感。

やあやあ、能ある鷹h氏(@noaru_takahshi)だよ。

近年よく耳にする、「ライフスタイル提案型ショップ」という言葉。ちょっと省略して「ライフスタイルショップ」という呼び方も多いですね。雑誌やネットでもライフスタイル関係の記事をよく見かけます。

こういうワードを聞くと、

シンプルだけど上質なファッション、ムーディなBGM、趣のある小説を片手に、こだわりのコーヒーを飲む、みたいな文化人気取りの漠然とした「お洒落イメージ」が想起されるわけですが、実際のところ「ライフスタイル提案」ってなんでしょう?

一口に「ライフスタイル」と言っても十人十色。

本来、人の数だけそれぞれのライフスタイルがあるはずです。多くのお店が提案している、「ライフスタイル」とは何を指しているものなのか。

うーん、考えるとモヤモヤします。

そこで今回は、自分の中での「ライフスタイル提案型ショップ」のイメージを確立させたいと思います!



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そもそもライフスタイルとは?

ライフスタイルとは「生活様式」のことですが、生活様式とは、ある社会において共通して成り立っているような生活の送り方を指します。ここには人生観・価値観・習慣などを含めた個人の生き方という意味も含まれています

例えば、家族で暮らすときにベッドで寝る派か布団で寝る派か、とか、朝はパン派かご飯派か、目玉焼きには醤油派かソース派か、みたいなそういったことの積み重ねでライフスタイルは形成されています。

その組み合わせは無限大であり、人それぞれの好みや周辺環境の中で、自分なり、家族なり、地域なりのライフスタイルが形成されていくわけです。

ライフスタイル提案型ショップとは?

明確な定義はありませんが、衣・食・住にまつわる様々な商品をキュレーションして、生活スタイルを丸ごと提案するというコンセプトのショップを指すことが多いようです。

セレクトショップと近い概念ではありますが、例えばファッション業界であれば、服だけでなく、インテリア雑貨や食品などのアイテムも取り入れている点、より全体の世界観を重視してキュレーションしている点がポイントです。

簡単にいうと、例えばセレブ生活だったり、海外生活だったり、多くの日本人があこがれているであろう夢のライフスタイルに関するアイテムや情報を丸ごとお店がチョイスして提供しますよ!ということですね。

お店のマーケティング手法の1つと言い換えることもできそうです。

例えば服屋さんであれば通常お店に陳列する服の内容によってショップのコンセプトを表現しますよね。

でも、衣類だけに縛られず、小物・雑貨やインテリア、食事も含めて提案することによって、そのブランドに通底する美学・哲学をより広い視点から表現することが出来ます。

そして、そのブランドイメージに共感してくれるお客さんがいれば、そのお店のモノをたくさん購入してくれるというわけです。

最近読んだ『物欲なき世界』(菅付雅信著、平凡社)という本にも、昨今のライフスタイル・ブームについて、“「物欲レス」になっている現在の社会において、人は単に商品をほしがるのではなく、商品にまつわる物語や生活提案を求めている”と述べられていました。

衣・食・住すべてをフラットに見比べて買い物する人が増えている背景もあり、今後ますますお店の「ライフスタイル提案」は増えていくと考えられます。

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ライフスタイル提案型ショップの例

ライフスタイルショップのイメージが付きにくい方もいらっしゃると思うので、まずライフスタイルショップの例をご紹介します。最近は似たようなお店が増えすぎていて全部挙げるとしたらキリがないです。

こうした流れをつくった代表的なお店をご紹介します。

ライフスタイル・ブームの先駆け「ロンハーマン」

ライフスタイルショップの日本でのブームのきっかけの1つとなったのが、カリフォルニア発のセレクトショップ「ロンハーマン」です。

2009年の日本1号店オープン以来、急速に店舗数を増やし、今や10店舗を超えています。

西海岸のセレブ達が愛用するラグジュアリーな普段着や生活雑貨を提案するロンハーマンの出現は、日本のカップルやファミリーに絶大な支持を集め、当時低迷していた日本のセレクトショップビジネスに爆弾を落としました。

日本のセレクトショップも追随し、最近では、「today’s special(2012年〜)」や「B:MING LIFESTORE(2012年〜)」、「SHIPS DAYS(2014年〜)」に代表されるような、ファッションだけに限らず、コスメティックや食品類、生活雑貨までを扱い、ライフスタイルをトータルで提案するショップが急増しています。

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1日過ごせる生活提案型商業施設「蔦屋書店」

ファッション業界でライフスタイルショップの流行が進む中で、TSUTAYAを運営するCCCが新しい試みを始めました。それが2011年にオープンした「代官山 蔦谷書店」です。

音楽や映画のレンタル、書籍の販売をメインとするTSUTAYAがさらにカフェやギャラリースペースを設置して、「カルチャー」そのものを複合した空間にしたのが蔦谷書店です。この業態が大ヒットし、瞬く間に全国展開しました。

本屋さんとは思えない、ゆったりとしたスペース。ワクワクする内装デザイン。普通の本屋さんではあまり見かけないマニアックな本や雑誌。しゃれたBGM。そこで過ごす「時間」を楽しめるような空間が形成されています。

「本、映画、音楽を通してライフスタイルを提案する」というコンセプトそのままに、ここに行けばなにか新しい発見がありそうと思わせるなにかがこの書店にはあります。

最近は本やカフェに加えて家電を取り揃えた「蔦屋家電」がオープンする等、この先の展開も気になります。

こうしたライフスタイル提案型書店も他社が追随しており、未来屋書店も同様のショップをオープンさせています。

地域に合わせた店舗運営「ACTUS」

ファッション、メディア業界ときて、家具・インテリア業界からもライフスタイル提案を行っている企業があります。それが「ACTUS」です。

コクヨの連結子会社であるアクタスですが、現在は家具販売だけでなく、「衣食住」生活にまつわるすべてのカテゴリーを総合的にご提案するライフスタイルカンパニーとなっています。

2010年から新業態のコンセプトストア「スローハウス」を設立し、2014年にはアパレル事業「Ouur」事業を開始しています。さらに「スーホルム」というレストラン事業を自社運営開始する等、着実にライフスタイルショップとしての地位を確立しつつあります。

「上質で、丁寧な暮らし」というコンセプトのもと、あえてチェーンストアのような画一的な品揃えや店作りを行わず、店舗の立地や商圏の客に合わせて、店舗運営を行っているところが特徴です。

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なぜこういう業態が増えてきたのか。

ライフスタイル提案型ショップが増えてきたわけには、以下のような理由が考えられます。

1.日本人の消費傾向の変化

バブル期の日本では、週末には良い服を着てお出かけをし、遊んだり、買い物をしたり、外食をしたりするといった文化が当然のように存在し、「高価なモノで着飾る」というカルチャーが消費の原動力となっていたと言います。

ところが昨今は、ネット通販が全盛の時代。不景気の影響もあり、外でお金を使うという機会が減ってきています。あまり外に出る機会もないのに高級な衣類を何着も買いませんよね。

家で過ごす時間が長くなる事で、年に数回しか着用しない派手な外出着にお金を掛けるよりも、毎日の生活のクオリティを上げていく方向に価値を見出す傾向が強くなってきました。

毎日の食事や室内で楽しむ生活雑貨に投資する人が増えてきたのです。これは、SNSで自分のライフスタイルが簡単に発信できるようになったことも大きいでしょうね。

また一時期爆発的に増加したファストファッションが落ち着きをみせ、その反動から、日常に使うものこそ、安物では無く、クオリティの高さを求める消費者が増えてきた事もライフスタイルショップが支持される理由の1つと言えそうです。

2.接客部分でのリスクヘッジ

ライフスタイルショップにはお店側のメリットも多く存在します。

メリットの一つに、ショップとして一つの固まったライフスタイルを提案すれば、接客の部分でリスクヘッジになるということが挙げられます。

例えば、無印良品。このショップでは、店名が全てを示しているように、「シンプルで良いものを提供する」という明確なコンセプトが掲げられています。商品の意匠はもとより、広告、パッケージ、値段、店舗でのインテリア、ショップスタッフまですべてを徹底してブランドイメージを作り上げています。

そのため、ほとんどの人はこのコンセプトに共感して買い物にくるでしょうし、ド派手で奇抜な商品を求めて、無印良品に来る人がいたらそれこそ奇抜な人だと思います。

このように明確なコンセプトに沿った品ぞろえをすることによって、接客上、間違ったものを提案するリスクを減らすことが出来ます。使い方のシーンもお客さん側で想定出来るため、店としては積極的に店員が営業することなく、売上を稼ぐことが出来るのです。

3.客層の広さ、購入機会の増大

カップルや家族で買い物にいくと、自分が好きなものが見られないし、長いこと買い物に付き合わされて退屈だと思う人は多いのではないかと思います。

しかしライフスタイル提案型ショップでは、商品のテイストやバリエーションが豊富であること、お店に長居出来るようなしつらえになっていることから、カップルやファミリーがみんなで買い物を楽しめるようになっています。

また小物や雑貨など安価な商品も多く、食事を提供するスペースも用意されていることから「ついで買い」を誘発しやすく、従来型の業態に比べ、客単価や店内滞在時間、リピーターなどの割合が高いと言われています。

もしショップのコンセプトに一人でも共感してくれれば、その家族までも販売対象とすることが出来るため、お店としては購入機会を増やすことが出来るわけです。

消費者としても同じコンセプトで販売されているモノをカップルやファミリーで共有できたら、とても楽しい買い物になりそうですね!

「どのような」ライフスタイルを提案するかが重要

以上、ライフスタイルショップの良いところについてご紹介しましたが、懸念されることもあります。

無印良品くらいかっちりコンセプトが決まっていればいいのですが、多くのライフスタイル提案型ショップでは具体的な思想や哲学が表現できていないように思うのです。

つまり、最近、「ライフスタイル」という言葉が乱用され、陳腐化しているのではないかと。

「アメリカ西海岸風」「東南アジア風」「北欧風」といった地域性をコンセプトとしているのに、全然関係なさそうな和風のアイテムがおいてあったり、「ポップ」「キュート」「エシカル」みたいなイメージを重視しているショップなのにキッチュなアイテムが置いてあったりする場合もあったり。。。

蔦谷書店の成功によって、本屋さんにカフェや雑貨屋さんが併設される例が増えてきましたが、置いてある書籍や雑誌もコンビニに置いてあるようなものばっかりだし、雰囲気も普通の本屋さんだし、ただイスとテーブルとカフェとちょっとした雑貨を置いただけじゃないのかと。そこに新しい発見はあるのかと問いたい。

セレクトショップなら、コンセプトに合った衣類や小物を買い付けてくればよいですが、ライフスタイルショップは衣食住を含めたトータルのキュレーションです。

ただ、雑貨店やカフェを併設すればライフスタイル提案になるわけではないと思います。

「ライフスタイル」を語るショップの中には、もちろん素晴らしい哲学を持っているお店もありますが、ただ流行に乗っかっているお店も少なくありません。どんな「ライフスタイル=生き方」を提案したいかが見えてこないのです。

このように「弱すぎるコンセプト」は興ざめしてしまいます。

自分のライフスタイルを考えるきっかけにもなる

その一方で「強すぎるコンセプト」も客を選びます。

こだわりのあるライフスタイルショップを見ると“良さげなもの”がたくさん置いてありますよね。

日本のご当地で買い付けてきた老舗の工芸品とか、海外で買い付けてきたアンティークの味のある雑貨とかね。

これがいいんだ!!ってびしびし感じるラインナップ。

こういうショップは見ていてとてもワクワクするし、楽しいのですが、自分の好みに合わなかった場合は、素直に受け入れにくくなってしまう感情も起こります。

個人的な話をすると、私は人様に誇れるようなこだわりのライフスタイルはありません。

特定のブランドに傾倒したこともなく、洋服から家具から雑貨から食器までを一つの特定のお店でそろえようと考えたこともないし、むしろそんなことしたらそれこそ自分のアイデンティティって何?というところで悩んでしまいそうです。

私服は、セレクトショップのアウトレットセールで買うことが多いし、スーツはオーダーメイドしたこともありません。大体コナカあたりで調達しています。

家具類はそれなりに好きな家具を集めていますが、IKEA、ニトリ、無印の家具も多くあります。

食器や調理器具は最近良いものを買うようにしていますが、それでも色やブランドを統一しようとは考えたこともないし、雑貨も場当たり的に適当なモノを買っています。気に入ったものであればダイソーやセリアの場合もあるし、無印良品やフライングタイガーの場合もあります。

家電選びもAppleやSONY一択みたいな信条はないし、色々調べてみてその時その時でコスパやデザインが素敵なメーカーを選びます。

カフェにも好き嫌いはないし、ドトールでもスタバでもブルーボトルでもなんでもオッケー。そもそもコーヒーの銘柄や淹れ方にこだわって飲んだことはあまりないです。

要するに安いものを取り入れつつ、その場その場で適当かつ適切に選びながら、自分のライフスタイルを作っています。

私のようなお店を予算とシチュエーションによって使い分ける人間からすると、ライフスタイルショップで全て必要なものを提案してもらってそれ一色に染まるということは決してない気がします。そんなお金もないですし。

しかし、確かに世の中には一定数、圧倒的なこだわりを持って生活している人がいることは理解できます。

「私はマリメッコのアクセサリーしかつけない」とか「私はコム デ ギャルソンのシャツしか着ない」とかそういうやつですね。

そういう突き詰めたライフスタイルを持つ人が、プロデュースなり企画なりしたライフスタイルショップというのは、バックボーンがしっかりしているからそのターゲット層には圧倒的支持をされやすいのだと思います。

でも、なんか息苦しい。このライフスタイルを私は受け入れられない!という風に感じてしまう場合も結構あります。

そんなわけで、ライフスタイル提案は、コンセプトのこだわりが強ければ強いほど共感できる人は少なくなるし、逆にこだわりが少なすぎては根強いファンはいなくなってしまうというところが、コンセプトの難しいところだなと感じます。

最後に!!

以上、「ライフスタイルショップ」について色々と考えてみました。

色々見てみましたが、成功しているライフスタイルショップに共通して言えることは、売り出したいコンセプトやアイテムのメリハリがはっきりしているということでしょうか。

コアなファンにウケるアイデンティティの強いアイテムを置く一方で、一般受けするようなアイテムも揃えておく。「どのアイテムで興味を引いてどのアイテムで儲けるか」がはっきりしていると感じます。

自分はどんなライフスタイルが最高だと思っていて、人に対してどのようなライフスタイルを提案したいのか?

その上で一番の強みとなる売れ筋アイテムはなんなのか?というところから逆算して、店舗設計、出店立地を考えて展開しなければ、これからも残念なライフスタイルショップが乱立することになりそうです。。

これってライフスタイルショップだけじゃなくて、その他の商売やブログ運営のコンセプト設計にも言えることじゃないかと思います。

伝えたい世界観が伝わるアイテムを揃えて、お客さんに自分の商品の魅力を効果的に伝えるバランス感覚を養っていきたいものです。


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鷹h氏 (@noaru_takahshi) の戯言

鷹h氏
それにしてもライフスタイルショップって、何を売っているのかが分かりにくいので、別の言葉があるといいですね。「生活関連用品総合提案型店舗」とか。。。

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