【感想】宇宙のロマンを凝縮!「宇宙と芸術展@森美術館」キュレーターの蒐集力に感服した!

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やあやあ、能ある鷹h氏(@noaru_takahshi)だよ。

資格試験を受験しに東京に行ったので、六本木ヒルズの森美術館で開催されている「宇宙と芸術展:かぐや姫、ダ・ヴィンチ、チームラボ」を見に行ってきました。

この展覧会、タイトル通り「宇宙」をテーマにした作品を集めた展示です。

普通宇宙のことに想いを馳せたかったら、プラネタリウムや科学館に行きますよね。なんで美術館なの??

大体「宇宙と芸術展」なんてテーマ、大風呂敷広げすぎて、絶対に散漫とした展示になるに決まってるでしょ!

…みたいな否定的なコメントを思い浮かべながら六本木へ。

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隣の会場で開催されていたチケット購入まで80分待ちの「ジブリの大博覧会」をよそ目に、5分でチケットが買えちゃう宇宙と芸術展」へと向かいます。ちょっとしたファストパス気分だけど、ますます不安になっていきます…。この展覧会、大丈夫なのだろうか…。ドキドキ。。

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……なんじゃこりゃーー!!

予想と全然違う展示内容!!「宇宙関連の古今東西の名作や科学的資料を通じて近代文明のあり方を問い、新たな宇宙観を提示する」というとてつもない大きなテーマだけど、時代を切り開いてきた貴重な科学的資料に合わせて、魅力的な美術作品が併せられており、全体として妙なパワーを感じる展覧会になっておりました!

そんな気合の入った展示がガラガラなのは悲しい!ジブリだけが芸術じゃないぞ!!

今回は「宇宙と芸術展」についてその魅力をメモしておこうと思います!



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本展覧会の概要について

今回展示会のコンセプトは、「人類が続けてきた宇宙の探求を、芸術史・文化史的な視点で振り返る展覧会」。

隕石や化石といった科学的資料から、レオナルド・ダ・ヴィンチやガリレオ・ガリレイの天文学手稿、貴重な天文・科学の初版本、曼荼羅や日本最古のSF小説ともいえる「竹取物語」の絵巻といった歴史的資料、そして現代アーティストによるインスタレーションや宇宙開発の最前線のレポートに至るまで、約200点が一挙公開されます。

宇宙に対するロマンや哲学が感じられる古今東西ありとあらゆる歴史的・文化的・芸術的資料を収集した労力にまず感服します。マジでよく集めたなこれ。

展覧会は大きく4つのセクションから構成されています。

  1. 人は宇宙をどう見てきたか?
  2. 宇宙という時空間
  3. 新しい生命観-宇宙人はいるのか?
  4. 宇宙旅行と人間の未来

セクションごとに、展示物がまるで違うことにより、展覧会が冗長にならずに済んでいます。

時系列に沿ってないというのも退屈にならないポイントかと!

会場の様子をメモ!

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会場が広々としている上、人も少ないので、自分のペースで回れます。一部の展示品についてはカメラ撮影OKなので、気に入った作品があれば写真を撮るといったことも可能。

都内の美術館は大体混みまくっていてストレスばかりがたまりますが、この解放感は魅力的!

以下は気になった作品をメモしておきます。

セクション1:人は宇宙をどう見てきたか?

初めのセクションでいきなり意表を突かれます。

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「宇宙展」のスタートは北山善夫「この世界の全死者に捧ぐ」。和紙の上にびっしりと極細のインクペンで書き込んだ「宇宙画」シリーズのひとつ。大小の銀河系や星々、輝く恒星、死にゆく星、ブラックホール、宇宙の風景を描いている作品でありながら、人々の魂が消えたり生まれたり参集したりするようにも見え、まるで抽象画のような人の心模様を描いているような、仏教やヒンドゥー教に見られる輪廻転生も想起されます。とにかく繊細な作品。

この後も宇宙の絵が続くのかと思いきや!!なんとその後は両界曼荼羅星曼荼羅の数々!宇宙を見に来たのに曼荼羅??

安定した形態である“○”と“□”だけで構成された曼荼羅の世界。

なにを隠そう曼荼羅の中には昔の人々の考えていた宇宙の姿が刻まれているのです。

曼荼羅は日本の仏教美術のみならずチベットの立体曼荼羅やインドの星曼荼羅などさまざまな曼荼羅が展示されています。まさかいきなり仏教的宇宙観から展開していくとは…。

それをきっかけに竹取物語、天球図、天球儀、反射望遠鏡から天体望遠鏡、ルネッサンス期の書物まで怒涛の歴史的資料の展示が続きます。昔から、人は宇宙に想いを馳せて、物語をつくり、星を観察し、各国で知恵や工夫を積み重ねていたことがわかります。

目玉はレオナルド・ダ・ヴィンチ「アトランティコ手稿 554v」!コピーじゃなくて本物が六本木に来ているのです!ダヴィンチ直筆だと思うとかなり興奮します。。。

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その斜め前には隕石で作った日本刀「流星刀」が展示されています。なんだこれ!カオティックだけど面白いぞ…。

セクション2:宇宙という時空間

続いてのセクションは、大型展示が多め!!最先端科学により明らかになってきた宇宙創生の起源、ブラックホールの実態や、何億光年も離れた星々の姿。私たちの時空認識を刷新した天体観測技術の驚くべき進歩等が、現代美術の作品等によって表現されます。

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森万里子「エキピロティックストリングⅡ」。宇宙の構造を表す理論の一つ、超弦理論にインスピレーションを得た作品。無限を想起させる形ですが、超弦理論は宇宙の誕生が常に繰り返されているというものであり、宇宙エネルギーには死がないことを暗示しています。

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ビョーン・ダーレム「ブラックホール(M-領域)」。背後はガラス張りで、六本木の風景が広がります。巨大なブラックホールを中心にまわっている銀河系と、多次元宇宙のあり方などを再解釈し、7つの円形構造体が宙吊りにされた、大型のインスタレーション。

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コンラッド・ショウクロス「タイムピース」。白い壁に囲まれた広い空間に、多数のアームが複雑に回りながら動く作品。日時計と太陽の関係の中で体験される「天文学的時間」をタイムラプスして表現しています。

回りながら回っている。自転と公転。規則的だけども不思議な動きをする物体は独特な影を生み出し、宇宙の神秘を感じます。

セクション3:新しい生命観-宇宙人はいるのか?

続いてのセクションは、宇宙の生命に関する展示。隕石・化石等の人間史を超えた地球史を起点として、江戸時代のUFO伝説から、人間が想像してきた宇宙人像、更には最先端の遺伝子工学等について触れる作品が展示されています。

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瀬戸桃子「プラネットΣ」。第65回ベルリン国際映画祭の短編部門でアウディ賞を受賞した短編映画。氷に覆われた惑星が海底火山の噴火によって温暖化し生命が復活する様子をスローモーション、タイムラプス写真、接写の技術を使って表現されています。氷が溶けて昆虫が飛び立つ様子は神秘的そのもの。

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空山基「セクシーロボット」。女性の身体を極限まで理想化リアルなロボットフィギュア。

無機質なロボットのはずなのに、やたらとボディーラインがセクシーで艶かしい。顔が昔ながらのロボット顏なのも愛着が湧きます。

セクション4:宇宙旅行と人間の未来

最後のセクションは、これからの未来の話。米ソの宇宙開発の歴史やJAXA「ISS/きぼう文化・人文社会科学利用パイロットミッション」、HAKUTO等、宇宙開発の最前線が紹介されるとともに、人間と宇宙の関係が変化することで、人間の生き方はどう変わっていくのか、アーティストのビジョンが紹介されます。

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フォスター・アンド・パートナーズ「月面住宅」。イギリスを代表する建築家フォスター卿による建築のイノベーションプロジェクト。月面の砂を素材に3Dプリンターで制作するという大胆な建築提案。

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ネリ・オックスマン「彷徨う人」。サンゴのような、脳みそのような、肺のような、色鮮やかな不思議な物体…。これは未来の宇宙旅行を想定してつくられた洋服です。衣服表面から酸素をうみだし、保持する機能も備えているそう。こういう一見途方も無いことを真剣に考えることもアートの力なのだと思います。

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チームラボ「追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして衝突して咲いていく」。宇宙空間を遊泳しているような浮遊感を体験することができるインスタレーション。4×13×9mの空間が宇宙の映像で覆われ、その中を宇宙船に見立てたカラスが疾走します。

カラスたちは観客すれすれに飛び、ときどきぶつかっては宇宙空間で鮮やかな光の花を咲かせます。4分20秒の上映時間中、息をつく暇もないほどの躍動感。ふわふわとした余韻に浸りながら、会場を後にします。

展覧会の感想!!

盛りだくさん!ごった煮もいいとこの展覧会なので、なにかを理解しようというのではなく、気の赴くままに気になる展示を見るのが良いと思います。

宇宙は科学が発展した現代においても、最大の謎をはらんでいます。「宇宙」について、何もわからないからこそ、そこにロマンを感じる

望遠鏡などの道具を開発して天体を観察する、ロケットで自ら行ってみる等の科学的アプローチをする人。

宇宙の美しさに魅せられ、そこに人の精神世界を投影する、自分なりに再解釈して再現する等の芸術的アプローチをする人。

分からないものにどう解釈を付けるかは人それぞれなのだなということがよく分かる展示でした。

人類が続けてきた宇宙の探求を集結した壮大な物語を紡いでいく展示会。宇宙をとっかかりにした人類史を見ているようでした。

最後に!!

「宇宙」と「芸術」という大きなテーマを様々な切り口から見事に編集・編纂している展覧会!

テーマ柄か時期柄か、子供連れや外国人が多かったような気がします。六本木以外への巡回はないですが、会期も長いので東京に来る機会があれば是非行ってみてください!!

他にもオススメの作品はたくさんあるので、きっと何か刺さる作品があると思いますよ!!

【基本データ】

【名称】宇宙と芸術展:かぐや姫、ダ・ヴィンチ、チームラボ
【住所】東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53F
【会期】2016年7月30日(土)~2017年1月9日(月・祝)会期中無休
【開催時間】10:00~22:00 ※火10:00~17:00
【料金】料金:一般1,600円、学生(高校・大学生)1,100円、子供(4歳~中学生)600円
【公式サイト】http://mori.art.museum/contents/universe_art/index.html


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鷹h氏 (@noaru_takahshi) の戯言

鷹h氏
宇宙ってあんまり興味なかったけど、調べてみると分からないことだらけで、考えてると深みにはまっていきます。

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