【感想】「村上隆の五百羅漢図展」を見てきた。ポップさとジメッとした日本らしさの融合が刺激的。

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やあやあ、能ある鷹h氏(@noaru_takahshi)だよ。先日、六本木ヒルズにある「森美術館」で開催中の「村上隆の五百羅漢図展」に行ってきました。

なんと14年ぶりの国内個展とのこと。全長100メートルの巨大絵画である「五百羅漢図」はもちろん、その他の展示もポップさと日本的な死生観が交じり合ったような、一筋縄ではいかない、突き抜けた作品が多く、大変おなか一杯になりました。

場内はマナー遵守の撮影、SNS上の共有も可。スマホに限って動画もOKという前代未聞なルール。

早速、展示内容と感想をメモする!



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気になった作品をいくつか。

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《円窓》シリーズ。グラデーションを多用しているようで、よくよく見ると細かい要素に分解されており、遠目からと近寄ってみた印象が全然違う。

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《宇宙の産声》(2005 金箔,FRP)。巨大な立体がデーンと「ギャラリーⅠ」の真ん中に鎮座しています。単純に金ピカでデカいというのは、なにかワクワクしますね。

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南無八幡大菩薩》(アクリル,カンバス,アルミニウム・フレームにマウント)。遠目には白地に見ますが、寄ってみると、表面は立体的な無数のガイコツ(ドクロベエ?)で埋め尽くされています。

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IMG_4685《五百羅漢図 [白虎]》(2012 アクリル,カンバス,板にマウント 302×2,500cm)。さすがの迫力。多くの人が写真を撮っていました。

IMG_4684《五百羅漢図 [青竜]》(2012 アクリル,カンバス,板にマウント 302×2,500cm)。アニメのような、日本画のような。。。

IMG_4686《五百羅漢図 [玄武]》(2012 アクリル,カンバス,板にマウント 302×2,500cm)。かわいいようで、暴力的でもあるような。。。

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《五百羅漢図 [朱雀]》(2012 アクリル,カンバス,板にマウント 302×2,500cm)。希望に満ちているようで、絶望を表現しているような。。。

何故、村上隆氏が五百羅漢を?

中東のカタールとの関係、東日本大震災、美術史家・辻惟雄先生との関係という三つの偶然が重なって生まれたのが、今回の「五百羅漢図」という作品です。

2012年にカタールで開催した展覧会に出展したものですが、なんとカタールの王女は、村上隆の展覧会のために美術館を建設したそう。王女の粋な計らいに応えようと作成された大作だったのですね。

場内の解説パネルに拠れば、「五百羅漢図」を題材として取り上げたのは、2009年から2011年にかけて『芸樹新潮』誌上に連載された「ニッポン 絵合わせ」がきっかけであるとのこと。

「ニッポン 絵合わせ」は、日本美術史家の辻惟雄氏が絵師に関するエッセイを披露、対する村上氏が新作を制作するかたちで進行。十九番の回のお題が、狩野一信画の五百羅漢図でした。計21回の”勝負”の内容はパネルにて掲載されております。

簡単な感想をば。

まず、「五百羅漢図」。この高さ3メートル、全長100メートルという前代未聞の作品スケールにとにかく圧倒されます。いくらTwitterやInstagramで会場の写真を観ていたとしても、実体験はまるで別物。見ないとこの凄みは伝わらない気がする。

そして、ただ大きいだけではありません。とにかく緻密。正直、村上隆さんに対し、緻密に描く作家というイメージを持ってませんでした。

24時間稼働の巨大な制作システムを作り上げた村上隆の力量に畏敬の念を抱くとともに、200人を超える人間が関わって創り上げた大作を前にして、エジプトのピラミッドのような絶対的な重みを感じました。

これらの大作がどのように制作されたのか、youtubeで公開されているメイキング映像でも確認出来ます。

さらに、ギャラリーⅢとⅣの間にある展示室でも、制作過程や各種資料が公開されています。

中世の終わりに日本画壇を席巻した絵師集団・狩野派の制作システムを、最新のツールを使って現代に蘇らせたとな。

原画はデジタルで作成するので、適宜修正が可能とはいえ、結局は人の手で描き出すキャラクターたち。村上さんによる指示書の走り書きがとても生々しい。

作品の出来を叱咤する指示が多く、「こんな低レベルとは。。」「ちゃんとやれ。ボケ!」みたいな辛辣かつ、心にぐさりと刺さる指示も見受けられます。なんだか私に言われている気がして、若干へこみました。。。

村上隆のプロフェッショナル仕事の流儀ですね。

たくさんの人々が亡くなった震災の鎮魂として描かれた作品が、美大生を中心に200人くらい動員されて、村上隆の罵倒と怒号によりガンガンケツを叩かれて完成した、というのもアイロニカルな感じもします。。

でも、こうした多くの人の血と汗と涙がこのような見たことの無い芸術となって世に出ていくのだから、完成した時の喜びは格別のものであろうし、ある種、建築の喜びと近いものだと感じました。

 

「五百羅漢図」は展覧会の目玉作品ではありますが、そのほかの新作もまた、いちいち手が込んでいて、見ごたえがあります。

 

今回は村上さんのご専門である日本画が根底にあるような作品が多かったですね。

これまでのような「キャラクター」が前面に出てくるスタイルが若干なりを潜めて、<じめっとした日本らしさ>、ひいては作家個人の<諦念>とか<絶望>を感じました。

まだ見ぬ表現を求めてこんだけパワフルに活動しても、誰も真摯に受け止めてくれないんだろうな。。。」みたいなね。

 

全体的にカチッとしている絵なのですが、どの作品も近くで見ると絵の具でフラットに塗ってあり、このデジタル全盛時代にわざわざ人間が描いたのかというだけで、何か感じるものはあると思います。

「機械作業」にみえる「手作業」。このデジタルとアナログを行ったり来たりする果てしない労力の先にある感動とはなにか。。。みたいなことを考えながら観ていました。

 

古典からの題材だけでなく、ドクロベエ、宮崎駿、水木しげるなど、モチーフは多数。「村上隆の五百羅漢展」は観ておいて損はないですよ!

 

以下、展覧会の概要です。

森美術館「村上隆の五百羅漢展」

会期:2015年10月31日(土)~2016年3月6日(日)

開館時間:10:00-22:00|火10:00-17:00

*11/3(火・祝)は22:00まで

*いずれも入館は閉館時間の30分前まで *会期中無休

会場:森美術館(東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階)

最後に!

隣のスカイデッキでは、「ノーマン・フォスター展」がやっております。

アウトプットは違えど、こちらも同様にプロ集団のチームワークを感じる展覧会です。一流とはなにかについて、とても考えさせられる展示でしたので、是非ご覧あれ!


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鷹h氏 (@noaru_takahshi) の戯言

鷹h氏
森美術館はいついっても良い展覧会を開催しているので、うれしい限りですね。

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