【感想】2016年11月オープン予定「すみだ北斎美術館」建築見学会に行ってきた。

 

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やあやあ、能ある鷹h氏(@noaru_takahshi)だよ。

2016年11月にオープン予定の「すみだ北斎美術館」の建築見学会に行ってきました。

設計者は妹島和世建築設計事務所。

ルールと崩し、閉じと開きのバランスが絶妙でとても素晴らしい体験だったので、簡単にメモしておこうと思います。



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すみだ北斎美術館建設までの流れ

公式サイトによれば、この美術館の基本理念は以下のとおりです。

-地域へ、世界へと北斎に関する情報を発信し、成長し続ける美術館-

世界的な画家として評価の高い葛飾北斎は、宝暦10年(1760年)に本所割下水付近(現在の墨田区亀沢付近)で生まれ、90年の生涯のほとんどを墨田区内で過ごしながら、優れた作品を数多く残しました。

墨田区では、この郷土の偉大な芸術家である北斎を区民の誇りとして永く顕彰するとともに、地域の産業や観光へも寄与する地域活性化の拠点として、「すみだ北斎美術館」を開設する準備を進めています。

この美術館では、北斎及び門人の作品を紹介するほか、北斎と「すみだ」との関わりなどについて皆様にわかりやすく伝えていくため、展覧会をはじめ様々な普及事業を行います。そして、これらの事業活動を通じて国内外に向けて情報を発信し、北斎と「すみだ」の魅力をより一層高めていきます。

上記のように北斎は墨田区にかなりの縁がある人物です。こうした背景があり、亀沢にぜひ北斎の美術館を!と墨田区が計画を立てはじめたのはなんと1989年

その後、財政難により2000年にいったん凍結されたり、2006年に東京スカイツリー建設地が押上地区に決定すると、凍結された美術館建設計画が復活したり、実施設計が完了したのに建設業者に応札されず計画変更を余儀なくされたり、とにかく紆余曲折を経て、構想から27年後の2016年11月にオープンする運びになったわけであります。

施工は東京スカイツリーも施工している大林組。建築は無事2016年5月に竣工し、6/18、19に建築見学会が開催されました。竣工後からオープンまで約半年の空白は、内装工事と作品のための空調の調節期間になるようです。

建物について

設計コンセプトを一部抜粋します。

街に開き、地域住民の方々に親しまれる美術館

訪れる人が気軽に立ち寄ることができる、公園や地域と一体となった美術館を計画します。大きな1棟ではなく、スリットによりゆるやかに分割された外観とすることで、周辺の下町市街地との調和を図ります。

建物全体をゆるやかに分割するスリットは、地上階部分ではアプローチの空間となっており、外部通路で結ばれています。建物全体に「裏」をつくらず、周辺地域のどこからでもアクセスすることができます。

浮世絵作品の保存展示を考慮し、建物全体として閉じながらも、スリット部分からは館内の様子がうかがえ、地域の人々にとってすみだ北斎美術館が身近に感じられるものとなります。また、館内からも公園や周辺地域を眺めることができ、最上階からは東京スカイツリーといった墨田の特色を眺めることができます。

このスリットは、内部でも多様な空間を形成します。ある階では各ヴォリュームが独立して部屋になり、ある階では他のヴォリュームと結びついて大きなワンルームになります。

コンペ時からこのコンセプトは変わっていません。美術館としての機能を保ちながら出来るだけ建物外部と接点を持つような設計としたということですね。

ちなみにコンペ案は以下のような形でした。

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見学会当日の様子!

3~4階は撮影NG、内部写真はSNSでの公開不可とのことなので外観のみ写真を載せておきます。

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公園から見た外観。コンペ時とはだいぶ形が異なりますね。

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壁面のゆるかな斜面。建築として難しい技術なのだそう。

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美術館は地上4階地下1階。

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建物壁面は淡い鏡面仕上げのアルミパネルを使用。Appleストアのようです。

アルミなので、夏でも熱をあまりもたないそうです。

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この建物の設計の肝は、建物が切り込まれたようなスリット。スリット部分はガラス面となり、外から館内の様子が見えるようになっています。

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1階はスリットが十字に交差して、建物の動線となるほか、講座室、図書室、受付の3室に分節します。

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スリットが鋭角のため、一階部分の廊下を歩いていると光が反射して、洞窟にいるかのような不思議な体験が出来ます。

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1フロアーの高さは約5m。

見学ルートは1F→4F→3F→B1Fの順。

4階には東京スカイツリーを眺められる展望ラウンジ。スリットの鋭角とスカイツリーの鋭角がマッチしており、とても素敵。

開放的な展望ラウンジに対して、展示室内は真っ黒に塗られ、対比的な空間になっていました。

上から切り込みが入るスリット部分はエキスパンドメタルで遮光されています。

4階から3階へは大きな螺旋階段で降ります。

すみだ北斎美術館が所蔵する作品のなかで特に見所となるのは、約100年間所在不明だった幻の肉筆画「隅田川両岸景色図巻」。約7mの絵巻物です。3階は大型の展示室となっており、こちらに展示されるのでしょうか。

3階からエレベーターで地下階へ。

地下は授乳室とトイレ。螺旋階段で1階へと上がります。

最後に!!

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スリットというルールとその崩し、キメとナリ、閉じる部分と開く部分。見事に調和のとれた形を生み出す妹島さんは才能の塊なんだろうなということを改めて感じました。

高さは20m近くありますが、外壁が淡い鏡面アルミパネルを使っているからなのか、決して他の建物から悪目立ちすることもなく、街の景色に馴染みながら独特の存在感を出していました。建物全体がモノトーンで一切色がないのも面白いですね。

下部が分棟なのも公共施設としてはかなり効果的だと思います。

11月のオープンもとても楽しみだ!!作品はもちろん建築作品としても楽しめると思います!


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鷹h氏 (@noaru_takahshi) の戯言

鷹h氏
北斎にしては現代的だね、というコメントも聞かれましたが、北斎は常に新しい仕事をしていたので、むしろ北斎の精神に合致していると思います。

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