【感想】『片山正通的百科全書@東京オペラシティ』集めたモノから伝わる一流クリエイターの本質。

やあやあ、能ある鷹h氏(@noaru_takahshi)だよ。

東京オペラシティアートギャラリーにて4月8日から開催中の「片山正通的百科全書 Life is hard… Let’s go shopping.」に行ってきました。

世界的に著名なインテリアデザイナーであるワンダーウォール片山正通さんの展覧会です。しかしながら、片山さんがデザインした作品は全くといっていいほど展示されていません

本展は、デザイナー歴25年の節目に、片山氏が自身のコレクションを美術館という場にいかにディスプレイするかを通して、その関心の所在やクリエイションの本質を探ろうとするものです。

アーティストのコレクター的側面にフォーカスした展覧会としては2016年に開催された村上隆さんの「スーパーフラット・コレクション展」が記憶に新しいところですね。

【感想】圧倒的な物量に酔いしれよ!「村上隆のスーパーフラット・コレクション展」が凄まじい件。

2016.02.10

当然ですが、今回の片山展は村上展とは展示作品・展示手法ともに全く異なり、”個性的”としか言いようのない独特の空間が形成されておりました。

今回はそんな「片山正通的百科全書」の魅力の一端をメモしておきたいと思います!



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片山正通氏について

片山 正通(かたやま まさみち、1966年8月24日 – )は、日本のインテリアデザイナー、クリエイティブディレクター。株式会社ワンダーウォール代表。武蔵野美術大学空間演出デザイン学科教授。

施主とプロジェクトのヴィジョンを共有し、ブランディングにおける空間コンセプトを構築する片山氏の仕事は、訪れる人の潜在意識に触れることを常に意識した丁寧なデザインが世界的に評価されています。

現在までに、ユニクロ グローバル旗艦店(NY、パリ、ロンドン、銀座ほか)、INTERSECT BY LEXUS (青山、ドバイ、予定:NY)、ユナイテッドアローズ(六本木)、PASS THE BATON(丸の内、表参道、京都祇園)、ピエール・エルメ・パリ 青山など、内装デザインから建築デザインまで幅広い空間デザインを手がけています。

受賞歴多数、TV出演も数多くなされている、名実ともに日本を代表するデザイナーの一人です。

本展覧会について

多様なジャンルや時代の現代アート、骨董品、家具、剥製、多肉植物、書籍、CDなど総点数500以上が展示されます。

展覧会名の「百科全書」は、著名な学者だけでなく、当時無名の執筆者が多く携わり、20年以上かけて編纂されたというフランスの百科全書からとられており、そのまま片山氏のコレクションの成り立ちを象徴しています。

会場は、「人と動物」「白と黒」「コンセプチュアルアート」など、独自のテーマに沿って分けられた17のROOM(展示部屋)と、作家にフォーカスした4つのエリアで構成されています。

非常にボリュームのある展示で、一つ一つの作品をしっかり鑑賞したら日が暮れてしまいそうな物量です。

ROOM12のサカナクション山口一郎のインスタレーションを除いて会場内撮影可です。刺激的な作品ばかりですので、気になった作品が写真に残せるのはとてもうれしいですね!

展覧会の様子をレポート!

会場に入ると、美術品を格納する木箱がおもむろに置かれています。以下、展示の流れに沿って、各展示で気になった作品を中心にご紹介していきます。

冒頭ではワンダーウォール事務所の断面模型と映像が。アートやオブジェが事務所にて、どのように展示されているかが説明されています。

事務所にはトップライトと吹き抜けによって明るさが確保された階段室があり、その壁面や踊り場にアートや彫刻などを展示するスペースあります。

展示室に入るといきなり長い廊下と壁面にはびっしりの書籍。片山氏がこれまで購入した書籍で、建築・デザイン系の本が多いですが、全く見たことがない洋書も多々ありました。廊下の突き当たりには黄色い見覚えのあるような人影が。

CDも廊下の両壁面にぎっしりと入っています。アルバムの表紙が展示されているものについては後ろにスピーカーが内蔵されていて、曲が再生されています。

続いての展示は多肉植物。巨大なものから小さい植木まで多種多様なサボテンが所狭しと並んでいます。

続いては「人と動物」の展示。結構アダルトな作品が待ち受けています。

これでもかとわかりやすいヌード写真からかわいらしい動物や植物の絵まで様々です。

黄色の人影はドナルドでした。。。じっくりみるとマジで怖い…。

その後は、会田誠の作品がひとまとめに展示されていたり、

榎本耕一の作品が展示されていたり、

とにかく多様な作家さんの作品が並んでおり、かなり刺激的です。

床の素材の質が変わりました。シロクマさんの剥製が通せんぼ。廊下の先には絶対に何かがいますね…。

大竹利絵子氏の作品である高さ2mを超える少女の木彫像。その奥には野生動物の剥製が。

「白と黒」をテーマとした展示ROOM。

この部屋からもシロクマさんの剥製が見えます。

現代アーティストKAWSの作品群。目がバッテンのスヌーピーが良い。

「アブストラクト・アート」をテーマとして展示。国内外様々なアーティストの作品です。

「ランドスケープ」のROOM。ここでは建築や都市をテーマにした作品も多かったですね。

サカナクションの山口一郎が同展のために制作したインスタレーション。この立方体の塊の意味は現地で作品を見れば明らかになります。

今度は廊下の角にトラがいる…。

旅先で集められた「骨董、オブジェ」が展示されたROOM。急に古民家に入ったような不思議な気持ちに。奥の剥製が力強い。

「ミッドセンチュリー家具」の展示ROOM。ジャン・プルーヴェやシャルロット・ぺリアンの家具などが展示されています。

ジャンプルーヴェ作のスタンダードチェアとスタンダードデスク。貴重な一点もの。渋い。

「コンセプチュアル・アート」のROOM。ライアン・ガンダー、サイモン・フジワラなどを中心に数多くの現代アーティストの展示されています。

コンセプトアートは文脈を理解しないとついていけないところもありますが、数多く作品が並べられるとそれだけで別の凄みを感じます。

河原温《“Friday” JULY 14, 2000 “TODAY” series No.26》。

ライアン・ガンダーの作品群。対になったカラフルな板の作品が印象的です。

出口のバッファーゾーンには「おじぎ福助」がいました。遊び心。

展覧会の感想

とにかく膨大な量の現代アートや家具、私物の数々。一見するととりとめもないモノ達ですが、これがカオティックにただ置かれているわけではなく、それらが丁寧に分類・編集され、ギャラリー空間に配置されています。

展示の仕方も作品それぞれでバランスが整えられており、インテリアデザイナーとしてのプロのこだわりが随所に見られました。

片山さんのクリエイションの源ともなっている等身大の人間の趣味嗜好が詰まった「買い物の履歴」とそれを美術館という空間に見やすく展示するという「デザイナーとしてのスキル」のどちらも体験できるという、片山さんの「頭の中」と「手の痕跡」が濃密に感じられる素晴らしい展覧会だったと思います。

人間味あふれるドロドロした部分とデザイナーとしての洗練された部分、どちらか一方に偏ってしまえば、(それはそれで面白かったかもしれないですが、)全く異なる印象になっていたと思います。そのどちらの側面も含めて「片山正通」という人間なのだという力強いメッセージを感じました。

こういう展示が出来るのも、片山さんは社会性を無視して個人の作品性を追求する「閉じたアーティスト」ではなく、ビジネスとして顧客の要望に最大限答えた上で、そこに美しい空間をデザインする「社会に開かれたアーティスト」だからこそです。

冒頭にも書きましたが本展には片山さんの作品に関する展示はほとんどありません。しかし、世界に通用する一流デザイナーの頭の中はどうなっているのか、現代という時代を引っ張るにはどういった才能が必要なのか、何かヒントを得たいのであればこの展覧会に訪問することをオススメします。

最後に!!

一流のクリエイターが「作品購入」に至った理由はどこにあるのか、また自分が作品を購入としたらどの作品に共鳴するのか、といった様々な視点から美術作品に向き合うことができる新しい展覧会だと感じました。

片山氏のファンであれば当然必見の展覧会ですが、作品が充実していますので片山氏について何も知らない人でも純粋に楽しめますし、(こういう作品を集めている人ってどんな方なんだろう?)と新しく興味がもてると思います!

みなさんも是非一度「片山正通的百科全書」のページを開いてみてはいかがでしょうか?きっとその奥深さにたくさんの刺激があるはずですよ!

【名称】片山正通的百科全書 Life is hard… Let’s go shopping.
【会期】2017年4月8日(土)─ 6月25日(日)
【会場】東京オペラシティ アートギャラリー
【住所】東京都新宿区西新宿3-20-2
【開館時間】11:00 ─ 19:00(金・土は11:00 ─ 20:00/いずれも最終入場は閉館30分前まで)
【休館日】月曜日
【入場料】一般 1,200円(1,000円)、大学・高校生 800円(600円)、中学生以下無料
【公式サイト】http://www.operacity.jp/ag/exh196/

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鷹h氏 (@noaru_takahshi) の戯言

鷹h氏
友達の家に遊びに行って、インテリアや本棚覗くとなんとなく性格わかりますよね。そんな感じの展覧会です!

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