【感想】「篠山紀信展 快楽の館@原美術館」は写真展というより超刺激的なインスタレーションだった!

やあやあ、能ある鷹h氏(@noaru_takahshi)だよ。

1960年代から現在まで常に写真界の先頭を走り続けてきた篠山紀信先生の個展「快楽の館」が9月3日から原美術館にて開催されていると聞いて、東京出張のついでに原美術館に行ってきました。

美術館での篠山紀信展といえば4年前くらいに新秋田県美術館で見た「篠山紀信展写真力」がありましたね。

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この時はとにかくたくさんの有名人がこれでもかと登場し、被写体の豪華さとその圧倒的な数量にとてつもないパワーを感じました。技術云々よりはもちろん、なによりこうした様々な被写体を撮影できる篠山さんの人間力に感心したものです。

「写真力」は2012年以来全国各地の美術館を巡回中ですが、本展はまったく異なるコンセプトにより、原美術館だけで開催するユニークな展覧会です。

今回の展覧会はなんとオール新作。オールヌード写真。果たして、日本写真界の超大御所は、原美術館という歴史的建造物の中で、壇蜜や有名女優達をモデルとして、どのような展示空間を作り上げるのか。

ワクワクしながら展示会場に向かいましたが、正直な感想は、「あれ、これって写真展じゃなくて、完全な現代アートのインスタレーションじゃない?」ということ。

美術館のいわゆるホワイトキューブの展示室で観る写真展ではなく、飾られている写真がまさにその展示空間で撮影されたという違和感。この面白みはまさにサイトスペシフィックなもの。

「快楽の館」なんて伊豆の秘宝館的なちょっと怪しい雰囲気の展覧会タイトルとしていますが、その実、かなり真面目で緻密な展覧会です。

今回は、そんな刺激的な展覧会の感想をメモしたいと思います!



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篠山紀信ってどんな人?

1940年東京生まれ。日本大学芸術学部写真学科在学中から広告会社の写真部で活躍し、1968年フリーに転身。刊行した写真集は300冊を越え、 受賞も多数。ジョンレノンや宮沢りえ、AKB48など有名人のポートレートなどを撮り続け、常に第一線で活躍されています。

 

登場する被写体はどんな人?

この個展のHPにもいくつか写真が掲載されていますが、私のわかる範囲のモデルさんは以下のとおり。

  • 壇蜜さん
  • 紗倉まなさん
  • 佐々木心音さん
  • 三上悠亜さん
  • 葉加瀬マイさん
  • 北条麻妃さん
  • 矢吹春奈さん
  • 染谷有香さん
  • 和泉里沙さん
  • 松岡ちなさん
  • オカダカズチカさん

などなど、入り口に参加モデルのリストが貼ってありましたが、全部覚えきれませんでした。モデルのことを知らないほうがアートとしてより純粋に楽しめるのでしょうが、どこかで観たことのある顔が多かったような。それがどこかは言うまでもなかろう。

全部で33名、77作品が美術館の内外に展示されています。

実際に行ってきた様子をレポート!

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場所は原美術館。JR品川駅高輪口を出て10分ほど歩くと、静かな住宅街の中にひっそりと佇んでいます。

玄関を通り抜けると、いきなりどでかい写真が展示されています!!残念ながら写真撮影はNG。お家でヌード写真を見てハアハアしたい方は作品集をご購入ください。

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コインロッカーや売店、カフェなんかも完備されています。

以下、面白かった点をまとめます。

1.「まさにその場所」に写真が展示されている

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この写真展、篠山紀信さんが撮影した写真が美術館全体に展示してあるのですが、全ての作品が「この美術館で撮影されたもの」です。

ヌード写真が等身大、あるいはそれ以上の大きさに引き伸ばし、撮影したところとほぼ同じ場所に配置されることによって「この場所にこのモデルが実際に存在して写真を撮っていた」という時間的、空間的想像力をかきたてます。

受付の前で撮影された写真があったら、受付の前に写真が展示してある。庭のタイルで撮影された写真があったら、庭のタイルに展示してあるといった具合に、撮影された「まさにその場所」に写真が飾られています。

普通の写真展だったら、1枚の写真を見たら次の写真を見に移動しますが、ここではそれで終わりではありません。

モデルさんたちの美しい姿を鑑賞したら、今度はその撮影された「場所」を見つめて、そこで行われていたであろう過去の事実に想いを馳せる。

気がつくと、写真を見るのと同じくらいの時間、その「現場」を見つめている自分がいる。これって実は、ヌード写真を見ているようで実は建物とか空間の方に意識が向かっているということに気がつきます。

その意味で、原美術館という歴史のある建物とそれが生み出す空間すべてを生かしたインスタレーション、といったほうが正しいと感じます。

2.原美術館との空間のコラボレーションが面白い

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原美術館は、もともと個人邸宅として渡辺仁が設計して1938年に建てられたもので、西洋モダニスム建築のデザインを取り入れ、日本近代建築史の観点からも貴重な建物です。

中庭を包みこむように緩やかな円弧を描いた空間構成と、外壁のオフホワイトのタイル張りが特徴的でとても女性的な建築物。そして、この80年近い時を経た歴史的建造物に配される女性たちの一糸纏わぬ裸体写真。このギャップが見事。

原美術館では、かつての居間や寝室がギャラリーとして利用される一方、浴室や洗面所などのユーティリティースペースは、アーティストに依頼して建物と一体になったユニークな常設展示作品となっています。

今回の展示で何よりも面白いのが、こうした常設展示作品(森村泰昌、宮島達男、奈良美智など)と篠山紀信による、ここでしかできないコラボレーションによる写真作品。

森村泰昌の<レンブラントの部屋>と松岡ちなのコラボ写真なんて想像を絶します。なにこれ。

ちなみに1930年代の欧風邸宅を美術館に再生した例としては、東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)があります。

こちらでは2016年9月22日〜12月25日まではクリスチャンボルタンスキーの展覧会をやっており、こちらもサイトスペシフィックな展示内容で比較しながら鑑賞するとかなり刺激的ですよ!!

【感想】「クリスチャン・ボルタンスキー展@庭園美術館」遥か遠くの“何者か”の記憶に想いを馳せる。

 

3.単純にヌード写真が美しい

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いわずもがなですが、ヌード写真をこれまで撮り続けてきた篠山紀信ならではのハイクオリティな写真が77作品展示されています。

撮影は展覧会入れ替えの休館期間を利用して敢行されたとのこと。竣工当時の面影が残る屋敷内や、木々の木漏れ日と落葉が印象的な庭、有名アーティスト達の常設展示空間など、とにかくあらゆる場所で、躍動するモデルたちの写真。

5つの展示室のそれぞれでイメージに変化がつけられていることや、空間を背景としてモデルを撮影するのではなく、あくまで身体と空間が織り上げるイメージを写真作品としていることからも、建築物へのリスペクトが感じられます。

ほとんどが大きな写真で大迫力なので、これを現場で見る価値は充分にあると思います!

最後に!!

この展示会、「写真を見に行く」というよりは「体験する」といったほうが的確かも知れません。味わいのある空間の中に実際に美女が存在しているかのような、不思議な感覚が味わえます。

篠山紀信さんの個展なので、年配の男性がほとんどなのかと思ってたら、意外と若いカップルの方や一人で来られた女性の方が多かった印象です。

私が行った日は、男性よりむしろ女性のほうが多いんじゃないかと思うくらい沢山いました!

写真集も発売されていますが、この個展の魅力は実際に体験してみないとわからないと思いますので、是非とも原美術館に足を運んでみることをお勧めします!

【基本データ】

【会場】原美術館
【住所】東京都品川区北品川4-7-25
【会期】2016年9月3日土曜日~2017年1月9日月曜日・祝日(祝日を除く月曜および9月20日、10月11日、12月26日~1月4日休館)
【入館料】一般1,100円、大高生700円
【開館時間】11時~17時(11月23日を除く水曜は20時まで、入館は閉館時間の30分前まで)
【公式サイト】http://www.art-it.asia/u/HaraMuseum/IoXcFNSpLejTadmKb86i/


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鷹h氏 (@noaru_takahshi) の戯言

鷹h氏
この展覧会を見に行く時に注意したいことはたった一つ!下心はほどほどに。下心満載で見に行ってもあんまりピンとこないと思います。

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