【感想】『石巻工房の家具2011-2017展@DESIGN小石川』“DIYでつくる”美しさ、“DIYでつくれる”逞しさ。

やあやあ、能ある鷹h氏(@noaru_takahshi)だよ。

みなさんは「石巻工房」をご存知でしょうか。

「石巻工房」は、建築家の芦沢啓治氏を中心に、国内外のデザイナーや建築家、家具メーカーからの支援を受けながら、被災した地域を住民自らが復旧することを目的に設立された、地域のものづくりの工房です。

特殊な工具を使用せず、自分たちの手で必要なものをつくる「Do It Yourself」を提唱し、プロダクトのシンプルで高いデザイン性が評価されています。

現在は“DIYとデザインの力で人と街を興す、世界初のDIYメーカー”として自立し、「規格材で、特殊な工具は使用しない」セルフビルド精神を貫きながら、シンプルでデザイン性に優れた家具を、石巻から世界へ発信し続けています。

そんな石巻工房が、2017年6月16日 – 2017年7月16日まで小石川で展覧会を開催していると聞いて、行ってきました。

石巻工房の家具はいくつか実物を見たことはありましたが、これまでの活動をプロダクトとともに振り返る展覧会はとても貴重。DIYに絶賛ハマっている私としては、勉強のためにも是非とも見ておきたい展覧会です。

実際に行ってみて、案の定素晴らしいクオリティのプロダクトが並ぶ素敵な展覧会でしたので、一部始終をメモしておこうと思います。



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『石巻工房の家具2011-2017』展レポート

以下、気になったプロダクトを中心にご紹介します。

会場は『DESIGN小石川』。築約50年というオフィスビルのワンフロアをスケルトン化した開放的な空間です。

石巻ベンチ(2011年)>。石巻工房の記念すべき第1作目です。デザインは芦沢啓治氏。被災直後から地元の高校生らとともにワークショップを重ね、今でも石巻の店先にこのベンチが置かれています。

2作目の<石巻スツール(2011年)。デザインは芦沢啓治氏。椅子の脚の角度は、紙の角を2回折ると出来る22.5度の角度を利用しています。道具や治具に乏しい被災地の中でいかに効率的なものづくりを行うか、ここでもデザインの力が生きています。

エンダイ(2011年)>。デザインは藤森泰司氏。仮設住宅のニーズをもとにデザインされた縁台のようなベンチです。角の丸みがなんともやさしい印象です。

AAスツール(2012〜2014年)>。デザインはトラフ建築設計事務所。同規格のデッキ材6本が組み合わされたシンプルな構造。可愛らしい見た目。スツールとしてだけでなく、天板を乗せてテーブルの脚としても利用可能な機能性。2013年には世界最大の家具見本市であるミラノサローネに出展され、世界的な評価を得ました。

キャリースツール(2013年)>。デザインは安積朋子。脚の下向きにすれば低めのスツール、脚を上向きにすればトレイにも使えます。スタッキングも可能で棚のようにも使うことができます。

フラミンゴシリーズ(2015年)>。デザインは二俣公一氏。小人のような妖精のような可愛らしい見た目。片足の乗せて腰掛けると浮かび上がるユニークな構造になっています。

ディニュー(2014年)>。デザインはバーバック・ハシェミ=ネザット氏。海外デザイナーの作品。かなりストイックな形態ですが、意外と座り心地はよいそうです。

デッキチェア、デッキオットマン(2015年)>。デザイナーは二俣公一氏。2012年以降、石巻工房は復興活動としてだけではなく家具メーカーとしてのクオリティが追求されるようになります。誰でも簡単につくれるだけではなく、多くの人に満足してもらえる家具、欲しいと思える家具が多く生み出されるようになります。

リトルピクニックテーブル(2015年)>。デザインはトラフ建築設計事務所。写真だと判りにくいのですが、このテーブル、かなり小さいです。大人だったら上の面に座って下の面をサイドテーブルに、子供であれば二人がけのピクニックテーブルになるというスケールの妙が楽しめるデザインです。

スケートボードも制作されるという遊び心。

展示室の奥にはこれまでの活動や製作者のインタビューを記録した映像が放映されています。観客席となっているのはこれまで石巻工房で製作された家具のプロトタイプ。

最後には家具工房の道具が置かれています。ワクワク感が止まらないですね!

展覧会の感想

本展では、設立当初から現在までに制作された60点以上の家具が公開されており、工房スタッフの熱い思いが時間の経過を追って展開されています。

全体通して感じたことは家具のバリエーションの多さ。DIYという制約の中でシンプルな形状でありながら、手がけたデザイナーによって多くの解答があることに驚きを感じました。

シンプルで合理的なデザインながら、スケール感やギミック、ディテールの操作によって美しさや楽しさも感じさせるプロダクトになってます。

また芦沢さんがインタビューでも語っていましたが、石巻でいち早く仕事を再開した方は被災した事務所を自力で再建したそうです。つまりDIYが出来るということは「自分を守る=生きる力」に直結しているということ。

現代においてDIYは趣味として語られることが多いですが、「必要なものは自分でつくる」という能力は時代を切り開く上でとても大切な概念だと思います。

大量生産・大量消費、アウトソーシングの時代を生きている人間として、「人任せにしない」という逞しさについて、改めて考えさせられました。

最後に!!

展示期間中はプロダクトのなかでも人気のある「キャリースツール(CARRY STOOL)」を、宮城県栗駒山の杉材で制作するワークショップも開催されます。

地域再生プロジェクトから始まり、今や世界に誇る唯一無二のDIY家具メーカーとなった石巻工房。

実際のプロダクトを見て、作って、石巻工房のものづくりに込めた思いをじっくりと感じてみてはいかがでしょうか!

会場:DESIGN 小石川
住所:東京都文京区小石川2丁目5-7 佐佐木ビルB棟2階
会期:2017年6月16日 – 2017年7月16日(水曜定休)
時間:11:00 – 19:00(水曜閉館・6月29日(木)臨時休館)
電話:03-5689-5597(芦沢啓治建築設計事務所)
公式サイト:http://designkoishikawa.com/

 


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鷹h氏 (@noaru_takahshi) の戯言

鷹h氏
DIYの世界も奥が深いなと改めて感じました。工房が必要ですね。。。

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