【感想】「土木展@21_21 DESIGN SIGHT」緻密なハイテク展示と無骨な職人仕事に大興奮!

IMG_6020

やあやあ、能ある鷹h氏(@noaru_takahshi)だよ。

21_21 DESIGN SIGHTにて6月24日より始まった「土木展」に行って来ました。

「土木展」とは、なかなか渋い展覧会テーマですね。。

土木の領域であるインフラは、道路や鉄道をはじめ、上下水道、災害に対する備えなど、日常生活を送る上で必要不可欠なものでありながら、普段生活する上でなかなか意識することがありません。

この展覧会は、そうした土木に焦点をあて、土木をより身近に感じられるような楽しく分かりやすい展示が集結しています。

そういう意味では、土木って一般的に結構マイナーな領域なので、これまで社会の表になかなか出て来なかった土木クラスタ歓喜な展覧会とも言えます!!

実際行ってみて、日常に潜む「土木」のありがたみや「土木技術」の凄さを実感する素晴らしい展示会だったので、感想をレポートしたいと思います!



– sponsored link –

本展覧会のコンセプト

公式サイトによれば、

快適で良質な毎日の生活を支えるため、街全体をデザインする基礎となる土木。道路や鉄道などの交通網、携帯電話やインターネットなどの通信技術、上 下水道、災害に対する備えなど、私たちの日常生活に必要不可欠な存在です。「土」と「木」で表す土木は、私たちの生活環境そのものであり、また英語では Civil Engineeringと表現されるように「市民のための技術」なのです。

現在の日常生活の土台は、古来の伝統技術、近代における研究と技術の発展など、多くの努力と工夫が積み重なって形成されています。しかし、私たちの 毎日の暮らしは土木とつながっているにもかかわらず、それを実感する機会は多くありません。また、多様な環境と対峙しながら生活の基礎を築くことも、土木 の重要な側面です。

これらのことを改めて見つめ、再発見と実感を通して、より良い未来を考えるきっかけとなるよう、21_21 DESIGN SIGHT企画展「土木展」を開催いたします。本展では、展覧会ディレクターに、全国の駅舎や橋梁の設計、景観やまちづくりなどのデザインを手がけ、土木 と建築分野に精通する西村 浩を迎えます。また、土木のエキスパートたちによる展覧会企画チームと、参加作家のデザイナーやアーティストがリサーチを行い、幅広く多くの皆様に、より深く土木を知っていただく作品を展示します。

地形や自然環境は各地で異なり、人々が活動するために必要な社会基盤も、地域によって異なります。土木展では、日々の生活の根底を支えるデザインを伝え、生活環境を整えながら自然や土地の歴史と調和するデザインについて考えます。

とのこと。

8f889dff5ee94e03088d5c0d8907bf93

展覧会ディレクターの西村浩氏といえば、数々の賞を受賞した岩見沢駅を設計したWORKVISIONSの代表です。土木出身の建築家として、全国の駅舎や橋梁の設計、景観やまちづくりなどを手がけています。同じく土木と建築の分野に精通した建築家である内藤廣氏からの推薦でこの大役が決まったそうです。

これはもう相当気合の入った展示内容になるに違いないでしょ!!

参加作家・参加団体は以下のとおり。

EAU、株式会社 感電社+菊池茂夫、柿木原政広、桐山孝司、桒原寿行、康 夏奈(吉田夏奈)、GSデザイン会議+岩本健太、設計領域、田中智之、田村圭介+昭和女子大学環境デザイン学科 田村研究室、ドローイングアンドマニュアル、西山芳一、公益社団法人 日本左官会議、八馬 智、ヤックル株式会社、ヤマガミユキヒロ、横山裕一、ライゾマティクスリサーチ、ワークヴィジョンズ、WOW、渡邉竜一+ローラン・ネイ、 403architecture [dajiba]

土木という枠にとらわれず、デザインから建築、ITまで広い関係者がそれぞれ”楽しい土木”の展示作品を制作しています。

実際の「土木展」の様子をレポート!

展覧会は写真撮影自由。フラッシュや動画・音声は不可で、一部体験型展示以外は触ってはいけません。

以下、気になった作品を簡単にご紹介します!

IMG_6021

展覧会入り口。黄色ストライプが目立ちます。工事現場っぽいですね。現場で「注意」を意味する「トラテープ」が元になってます。フォントもかなり渋い!

IMG_6030

ロビーにはどーんと密度の濃い絵が飾られています。

IMG_6026IMG_6027 IMG_6029

<渋谷駅解体、新宿駅解体、東京駅解体> 田中智之

迷宮と揶揄されるこの3駅。特に渋谷駅、新宿駅はすごいですね。。。毎日300万~400万人をさばく駅がどういうメカニズムになっているのかを見事に表現した超力作です。

IMG_6040

<六甲山からの眺望> ヤマガミユキヒロ

IMG_6044

<隅田川リバースケープ> ヤマガミユキヒロ

現代美術家であるヤマガミ氏のキャンパスプロジェクションという手法を用いた作品。超緻密なドローイングに、1日の様子がプロジェクションされて幻想的な雰囲気になっています。

IMG_6048

<土木オーケストラ> ドローイングアンドマニュアル

展覧会のどこにいても聞こえてくるこの展示の音。大音量で鳴り響くオーケストラのボレロは、実際の工事現場でなっている音をサンプリングして編集したものです。この作品では”ドボレロ”と呼称されています。三面に投影されている高度経済成長期を支えた土木の工事現場と、現在の渋谷駅周辺再開発事業の工事現場も見もの。

IMG_6051

<土木の道具> ワークヴィジョンズ(西村 浩、林 隆育)

つるはしやスコップといった工事現場で使用するいわゆる土木らしい道具が集められています。こうやって並べられているとかっこよいですね。なかにはどうやって使うか全然わからない道具も。。

IMG_6071

<まもる:キミのためにボクがいる。〉>WOW

消波ブロックや河川敷のコンクリートブロック、土留めの杭などが、私たちの生活と自然環境を災害から守っていることを伝える映像作品。とても可愛らしい映像演出で土木技術のありがたみを実感できます。

IMG_6066

<地質山>康夏奈(吉田夏奈)

小豆島を拠点に活動するアーティスト康夏奈氏の作品。島の地層をテーマにしており、道路の下はどうなっているのかとてもわかりやすく、土木が相手にしている自然の厳しさや荒々しさを実感できます。

IMG_6072

<霊山トンネル>西山芳一

なんと30年間も建設現場を撮り続けてきた土木写真家 西山芳一氏による写真。ちなみにこのマシンはトンネルを掘るための重機で「油圧ドリルジャンボ」という名前です。土木の重機って必殺技みたいなネーミングでかっこよい!!

IMG_6091

<ニュー土木>横山裕一

土木をテーマにした漫画。工事現場の重機や人々の”音”がスピード感を持って描かれており、とてもシュールでありながら魅せられてしまいます。

IMG_6078

<土木で遊ぶ:ダイダラの砂箱>桐山孝司(東京藝術大学大学院映像研究科教授)、桒原寿行(東京藝術大学COI特任助手)

来場者が砂場遊びを通して土木の設計者となれる映像インスタレーション。

造成においてもっとも重要なのが土量調節。どこを削ってどこを埋めるかによって造成技術者としての器量がわかるといいます。

この展示では、来場者が砂場を掘ると標高が低くなり、盛り上げると標高が高くなることを色でリアルタイムに表現してくれます。

IMG_6086

もう一つの砂場では高さに合わせ等高線が現れます。砂遊びしたらリアルタイムでその等高線を投影してくれる上に、深く掘りすぎると湖になってしまうのが面白い!川を作ったり、火山口を作ったり、大人が童心に還ってしまうレベルで砂いじりをしてしまいます。

IMG_6060

<現場で働く人たち 開削。掘る。> 感電社+菊池茂夫

「感電社」が 発行する「BLUE’S   MAGAZINE」に掲載された菊池茂夫さん撮影の写真。「BLUE’S   MAGAZINE」は現場の職人さんをかっこよく紹介するフリーマガジンです。そして、菊池氏はパンクバンドのライブを撮る写真家なのだそう。確かに現場で働く職人さんは超かっこよい!

IMG_6099

<つなぐ:渋谷駅(2013)構内模型>田村圭介+昭和女子大学環境デザイン学科 田村研究室

ロビーには田中智之さんの渋谷駅ドローイングがありましたが、こちらは立体模型の展示です。渋谷駅は地下5階、地上3階の複雑な構成。これがRPGのダンジョンだったら宝箱の設置しがいがありますね!!

そういえば、この模型は「マツコの知らない世界」でも以前紹介されてましたね。田村圭介氏は「新宿駅はなぜ1日364万人をさばけるのか 」など、巨大駅に関する研究で有名です。

IMG_6106

<ダムとカレーと私> 出演:宮島 咲/映像:ドローイングアンドマニュアル/制作協力:柿木原政広

日本各地のダムカレーの食品サンプル。新豊根ダム。佐久間ダムの名物らしいです。崩すのがなんか惜しい!!!宮島咲さんは「ダムマニア」の管理人であり、「日本ダムカレー協会」でダムカレーの普及に務めておられます。福神漬けで水流を表現するあたりとても芸が深いです。

IMG_6118

<ゴッタルドベーストンネルの最後の突破>アルブ・トランジット・ゴッダルド有限会社

世界一長いトンネルであるゴッダルドベーストンネルが開通するときの映像。土木は多くの作業員が関わって過酷な自然と闘う姿や、事業が達成した時の達成感が本当に素晴らしいですよね。

IMG_6121

<山手トンネル>ヤックル株式会社×八馬智

山手トンネルは首都高速道路中央環状新宿線の大井JCT – 高松入口間にあるトンネル。全長18,200mで、日本で最も長い道路トンネルです。この山手トンネルを入ってから出るまでの映像。早送りの映像なのに全然地上に出て来ないので、段々不安になってきます。。。

IMG_6127

<BLUE WALL 永代橋設計圖(東京大学大学院工学系社会基盤学専攻所蔵)>EAU

関東大震災後の復興で掛け替えられた永代橋の青図。これぞ本業の土木の仕事です。図面って設計者の考えが凝縮されていてとても美しいですよね。

最後に!!

土木展、てっきり橋梁とかダムとかのカッコいい土木デザインの事例を紹介する展覧会だと思っていましたが、全然違いました!!無骨な土木をより身近に感じられる”楽しいドボク”を見せてもらえました。

土木の領域外の人が展示に大きく関わっているところが、結果的に土木の世界をわかりやすく柔らかく伝えるきっかけになったんじゃないかなと思いました。

そして、高度な土木技術に感動したのはもちろんなのですが、土木が相手にする水や土、災害といった自然の力は圧倒的であり、そこに対峙する人々のかっこよさがハンパないと思いました。

一番強く感じたのは「ドボク=祭り」という図式。もちろん建築も多くの人数が関わる大事業ですが、やっぱり土木はスケールも桁違い。みんなで熱量をもってひとつのものを作り上げていく姿は、感動的です。

とにかく!!土木展はデジタルな最新の研究と、アナログな手仕事の両方の世界から土木の魅力に迫っています。土木ってワイルドでちょっと怖いって思っている人もこの展覧会を見れば土木を見る目も変わるかもしれませんよ!!

【基本データ】

【名称】土木展 – Civil Engineering
【会期】2016年6月24日〜9月25日
【場所】 東京都港区赤坂9-7-6(21_21 DESIGN SIGHT)
【電話】03-3475-2121
【開館時間】10:00〜19:00(8月23日は17:00閉館)
【休館日】火曜日(8月23日は開館)
【入館料】一般1100 円/大学生800 円/高校生500 円/中学生以下無料
【公式サイト】www.2121designsight.jp


- sponsored link -

鷹h氏 (@noaru_takahshi) の戯言

鷹h氏
土木と建築の人って同じ領域のようで意外と性格が異なるところも面白いですよね。

オススメ記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です